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『マイ・インターン』 ナンシー・マイヤーズ





ある何かを、見たり聞いたり触れたり体感したりすると活力を与えてくれることがあると思います。自分にとってこの映画を観たときの一番の効用はそういったものでした。

ファッション系ECに情熱を傾けるジュールズ(アン・ハサウェイ)の元に専属インターンとして採用されたベン(ロバート・デニーロ)がやってきます。が、ベンは勤めていた会社を引退しやもめの70歳。上司であるジュールズとの年齢差は30以上もあります。さぁ、PCもろくに触れないベンと、その採用は社会奉仕活動と割り切ってアテにしてないジュールズがどのような関係を築いてゆくのでしょうか。



作品の雰囲気はとてもハートフルで爽やかで清々しく、心に潤いのない状態のときに観ても瑞々しくなれるチックリット。言ってみればジュールズにとってのベンのような、または、ベンにとってのジュールズのようなカンフル剤のようなもの。ふたりの出発点は芳しくなかったけれどすぐに邂逅であったのだなと思え、観ていて気分が頗る良くなりました。

そして2人は歳の差を超えて結ばれるロマンス。なんてことはありません。お互いビジネス仲間であり良き友人に終始します。その友情を支えるのがベンの人柄、ひとえにデニーロの演技であり凄まじい存在感でした。温厚な役柄であるのに、この臈たけた人物にしか成せないスタティックな迫力があり見惚れます。

ですがタイトルが『マイ・インターン』とあるように、監督の意図はおそらくアン・ハサウェイ側にあるのでしょう。ハサウェイもデニーロという存在に振り切られずに、こちらは華やかな美の迫力に包まれていました。とはいえ、そこに佇んでいるだけで蕩けてしまいますけれど。



その作品の雰囲気に大きな役割を果たしているのがインテリアや服飾あるいはそれらの色彩です。ジャケットを見たときにまず飛び込んでくるのがタイトで真っ赤な服を着たハサウェイです。これは強烈に残り手に取ろるきっかけにもなりました。こんなあかなかなか着こなせないでしょうに。作中のインテリアもシンプルとモノトーンで統一し、巧妙に挿し色を加えてセンスの良さを感じさせます。


この様なオフィスで働くことは一生ないでしょう。


自分の目指すインテリアとはベクトルがことなりますが素敵なコーディネートだと思います。さすがブルックリン!

ハサウェイとデニーロの直向きな姿勢を観ていると、少なくとも自分は触発されます。働くことということや対人間へのモチベーションアップ。エナジードリンクですレッドブルです。背筋をピンと伸ばして歩きますか。そして男性はハンカチーフを忘れずに。くれぐれも自分の涙は拭かないようにね。


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.14 2016 【映画:ヒューマンドラマ】 comment2 trackback0

『ドライヴ』 ニコラス・ウィンディング・レフン

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監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、
ブライアン・クランストン、etc.



ニコラス・ウィンディング・レフンという監督の作品を観たのは初めてですが、衝撃的で興奮しました。夜中に観たのですが容易には寝付けません。今年の白眉(とは言うもののコレで十作目ですけれども)、二番目と二馬身差はついてしまいました。ジェイムズ・サリスという作家の同名小説の映像化のようですが、おそらく映画という表現方式であったからこそここまでクールでスタイリッシュで惚れちゃうんだと思います。

といっても万人受けする類いの映画ではありません。なぜなら個人の嗜好や感性に大きく左右されるであろうパーソナルな映像の撮り方(内容同様)をされているからです。小説が言語で語るように、映像で語れる映画監督という特権を存分に操っているように感じれる。その監督の表現様式がたまたま僕の審美眼とカチッとかんだのでしょう。

主人公(ライアン・ゴズリング)は自動車整備工場で働き時おりカースタントを請け負って過ごしていますが、夜には強盗のドライバーとしても躍動する。冒頭に強盗を逃がすシーンがありますが、カーアクションものの定石のように派手なアクションではなく、静と動を使い分ける頭脳も使ったカーアクションなのがまず印象的。その彼が隣人の人妻に恋心を抱きつつ逃がし屋として悪い方向へ向かっていくその行方は?といったところが展開されます。

監督の素晴らしい点は何の変哲もない展開であってもカットやアングルで魅せてくれるところです。バイオレンスなシーンも多い(なのでR指定)フィルムノワールな部分もあるのですが、アングルの効果で迫力や迫るものがこれほど変わるのかと驚いてしいまいます。これは言葉で説明の利くものではないので観ていただくしかないでしょう。バイオレンスなシーンはちょっとしたホラー、頭がびちゃっっと吹っ飛んだり足でクチャクチャに踏み潰したりするので心穏やかには観れません。

そしてスローモーションを随所に取り入れることで、該当シーンが普通に撮ったシーンに比べてベッタリと記憶されます。それに附随する音楽も多様でカットにあった選曲(音楽プロデューサーは別人でしょうけれど)の効果は絶大。ベッタリ記憶に拍車がかかるのです。これだけでもう、デンマーク(監督出身地)のフィルムソムリエと呼ばせていただきたい、のですが、主人公に起用されたライアン・ゴズリングも監督のスタイルによく応えています。

主人公は自動車整備工場に突然現れて働き始めたと中盤に明かされるのですが、整備士としてもドライバーとしても非凡なものを持っています。しかし寡黙でどこか陰があり憂いを帯びていて寡黙でもあるんです。そしてバイオレンスシーンに顔を出す残忍性が一層彼をエキセントリックに仕立てているんですけれど過去は一切明かされません。アナーキーでカルト的萌芽がここにあります。

その難役をライアン・ゴズリングは仕草や佇まいで人物像の輪郭線をくっきりと描き出し、とても色気のある好演をしています。草食系なのに肉食系。とてもハードボイルドなのですが、チャンドラーのように言葉ではなく映像で饒舌に語るんですよね。彼の〈間〉も有名な掃除機並みに吸引力を備えていて惹き付ける力があります。個人的に好ましく思う頂きに永らく鎮座する演技派俳優エドワード・ノートンくんも顔を真っ青にして背後を気にしていることでしょう。


201602162135350ff.jpg



そして彼が終始着用していたブルゾンが欲しいなとも想うのでした。



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.16 2016 【映画:ヒューマンドラマ】 comment4 trackback0

『アメリカン・スナイパー』 クリント・イーストウッド


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監督 クリント・イーストウッド
出演 ブラッドリー・クーパー(クリス・カイル)
   シエナ・ミラー    (タヤ・カイル)
   ルーク・グライム   (マーク・リー)
   ジェイク・マクドーマ (ビグルス)
   ケヴィン・レイス   (ドーバー)



2001年に起こったアメリカ同時多発テロの映像を目の当たりにして、祖国の人々を守るために貢献したいと考えたクリス・カイルは、軍隊に志願しネイビーシールズのエリート狙撃手としてイラク戦線で奮闘する、という実話を元にした映像作品のようである。故に戦争を描いているのであるが、「イラク戦線で大活躍する」と書いたように、狙撃手として実に160人もの人間を撃ちぬいたクリス・カイルを主人公とし、戦争の外面と彼の内面を描いてゆく。彼は現役ながら〔レジェンド〕と呼ばれるほど凄腕でその狙撃のシーンは静かで的確で整然としている。狙いを定め引き金を引いたその一瞬で敵兵はおろか女性や子供の命まで消えていく様は、胃液が逆流してしまうほど精神的に滅入ってしまう。パンッ!という一音でで生きてきた数年が消失してしまうのだ。その親や子供や親友や恋人の気持ちを慮るとなんとも残酷な最後であろう。しかし彼らの行為はアメリカ人だけの問題だけでなく、イラク派兵を支持した我々も当事者なのである。そこで何かしらの痛痒を被ったところで目を背けることが出来ないのが本当であろう。正視するにも精神的な強さかあるいは何の痛痒も感じない鈍さのどちらかを必要とするでしょう。

戦争映画ではあるが主人公はスナイパーになる前は一般市民(カウボーイ)である。その普通の人間だったクリスがシールになって前線に赴き、内面が変貌していく過程、これが本作のテーマであろう(クリスが知らず知らず変わっていく様はクリント・イーストウッドとブラッドリー・クーパーの努力の賜物でしょう)。美しい妻(シエナ・ミラー凄く美人!)と子供という家庭がありながら、祖国を守るためという愛国心の為に何度も前線へと赴く。しかし本当は家庭を省みないのではなく、省みることが出来なくなっていったのだ。それは戦争という病魔、おそらくPTSD のようなものなのだろうが、彼は本土に帰っても敵を探すような素振りをし子供とじゃれる犬を殴り殺そうとまでする。それはそうだろう、武器を持った兵士だけでなく、味方に危害を加えようとする女・子供まで撃つ心の負担は想像するだけでは追いつかないほどなのであろう。あるシーンにクリスが撃った敵兵の武器を子供が拾って撃とうとするというのがあるのだけど、ここでクリスはその少年に照準を合わせトリガーに指をかけたまま、武器を捨てろ、頼むから捨ててくれと言葉が零れる。クリスもまた責任と道徳のジレンマに陥り葛藤しており、その様子がこれ以上ないくらいピッタリと饒舌に描かれている。今でもこの映像はくっきりと輪郭をもって海馬に保存されている。お見事。

その立ち振舞いを通じてイーストウッドは「戦争とは現場で起きているだけではない」という意思表示をしているかのように僕には映る。結末も字幕だけの文字の羅列という(どうなるのかは本作を観てください)呆気ない故に激しく動揺してしまう。しかしこんな酷く淡白な幕引きを選んだのも、かえって悲惨さが強調されるのだから参ってしまった。凄まじいラスト。イーストウッドの名声を引き上げたのは想像にするに容易い。



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.24 2016 【映画:ヒューマンドラマ】 comment2 trackback0
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