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桜庭一樹 『私の男』

私の男


優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―。黒い冬の海と親子の禁忌を圧倒的な筆力で描ききった著者の真骨頂。   (BY BOOKデータベース)


やっと回ってきました、桜庭さん^^いろんな感想を聞いていのでこの作品は誰もがちょっと気がひけそうな親子愛・近親相姦なるものを描いているっぽいのは知っておりました。たぶん、なんか昼ドラのようなドロ~~っとして少し陰のある雰囲気なのだろうなーと勝手に思ってましたが、いやはや別にたいしてドロドロもしてなかったです。ドロドロ系はすごく苦手^^;ましてや恋愛でのそれはとてもじゃないけど、読めない部類の本なので読んで印象と違いちょっと安心しました(フゥ~)文章はやはり読者を惹きつける魅力に溢れていて、やはりさすがは桜庭さんだと改めて感心しました。今年これに直木賞を受賞させてよかったと思います。これで直木賞側はメッタ斬りにされないと思いますよ(笑)しかし、少女~や赤朽葉~のような美しさを佇ませた作品といったような作品ではなかった気がします。題材が題材だからかも知れませんね。

この本の読ませ方はとても上手く2008年の現在~2005年~2000年~~1996年~1993年と時系列を逆に遡って描かれています。これがこの作品のすべてのような気がしました。これが時系列が普通だったならば花と淳悟という二人をわしは許容できなかったかも知れません。それに先も簡単に見えておもしろさも半減していたような気もします。最初にこういう今までの過程を隠して現在を持ってきたことで、過去に遡って二人の過去を紐解いていく過程、それの展開の仕方がやはりスゴイのです。またこういう風に逆に描いたことで最初は嫌悪感が大きかったのですが、読んでいると次第に嫌悪感が薄れていき、もしかしたらこの二人はこれでしょうがないのかも知れないと思うようになり、最後まで行くともうこの二人はいっそ二人の永遠の中で身を寄せ合っていてもいいんじゃないの?と花に言えるものなら言いたいくらいでした。ネタバレになるのであまり多くは言いませんが、時系列が逆になってる理由は最後にはわかると思いますよ^^

いやっ、もちろん嫌悪感は最後まであるのですよ。この小説は桜庭さんの今までの美しさを
前面に押し出した作品の正反対の美しくない、すなわち汚れや嫌悪感などを押し出した
新しいモノだと思います。でも、嫌悪感は残ってるのだけど、許せるというか許してしまう
ような性質をもっている作品なのです。今までにない桜庭さんといえどこれが桜庭さんの新の本質
だとは言いませんが、今の桜庭さんの広さを表現してくれたような気がしましたねー。

一つだけ気にいらなかったのが文体。文章(←文体ではない)も構成もどちらも素晴らしいと思いましたが、文体だけがなんか普通だった。スゴイと思えなかった。桜庭さんは作品ごとに文体を変えますが、今回は何をイメージされたのでしょうか?わしはわかりませんが、なんか桜庭さんらしくなく、ただ普通の文って感じです。ここだけが桜庭さんの持ち味が出てなくて残念といえば残念でしたー。

装丁の絵を描いているのは女性画家のMARLENE DUMASという方の「COUPLES」という作品のようです。油彩。1×3メートルの巨大なキャンパスに描かれているらしく、そのお値段がなんと二億円!?もするらしいですよ!ひぇ~~、庶民ではこの価格はよ~わからんです^^;装丁はというと、『少女七竈と可愛そうな大人』『スカイ・クロラ』『白夜行』『となり町戦争』『疾走』などなど、わしが読んだだけでもかなりの数を手がけてはる人気イラストレーターです。装丁を手がける方の中では中村祐介さんの次に好きなデザイナーさんです^^


3.5 なむなむ!

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.01 2010 【本:言語芸術】 comment0 trackback0

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読書をライフワークとしております。読むジャンルは本のジャンルは基本的に小説です。特に文学、ミステリ、SFを好み。何かお薦め本があればご指南ください。リンク・コメント・TBも大歓迎ですのでどうぞよしなに^^

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