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夏目漱石 『坊ちゃん』

坊っちゃん


大学を卒業して、四国の中学に数学教師として赴任した、江戸っ子“坊っちゃん”。自らの正義感と類まれなる行動力がひき起す数々の事件を描く、痛快な青春小説。「赤シャツ」「狸」「野だいこ」に代表される世の俗物を向うにまわす、主人公の純で直情な活躍は、ユーモアあふれるその表現とあいまって、漱石の作品のなかで、今なお最も多くの読者をもっている。若い読者の理解を助けるため読みやすい活字で詳細な語注を付した。     BY 背表紙紹介文 (ちくま文庫)


夏目漱石の作品でもたぶん一番読まれているであろう『坊っちゃん』。今でこそ読書がライフワークみたいになってる僕ですが、学生時代読書と無縁だったあの頃ですら本書は読んでいたくらいなのです^^。なので再読かなもし。読書無縁時代にこれを読了できたのは、この本の薄さもあるかも知れませんがなんといってもまず面白かったからに他ならない。そして読みやすいぞなもし。あの頃に読んだのは〔新潮文庫〕でイチイチわからない昔の言葉や風刺などを巻末に調べに行くのが面倒だったんですが(^^。)、〔ちくま文庫〕はページごとに語注が付いてるのでそういう面でも読みやすい。なので筑摩で再読。文学はちくまでどうぞ(筑摩の回し者ではないかなもし)。

吾輩~ほどインパクトがある有名な書き出しではないですが、「生まれついての無鉄砲で、損ばかりしている」という主人公<おれ>をこの一文でよく表していると思います。なぜこの書き出しでこういう文章を持ってきたのか、読んでゆくとこの短い人物像の説明がとても重要な伏線で<おれ>の行動の一つ一つに効いてくる。やっぱ書き出しはインパクトもさることながら、考えつくされて書かれているからあっぱれですね。その無鉄砲で江戸っ子なおれは物理学科を卒業し教師として四国のとある学校へ赴任し、孤独感や焦燥感と戦いながら自らの場所を切り開いてゆく物語。言うなれば国内小説における〔学園もの〕や〔教師もの〕のハシリなのでしょうか(笑)描かれるのは学校の教師や生徒とのいざこざが占めていて、短いながらもストーリーは起伏に富んでいて一気読みしちゃう。いけ好かないが一目おいている〔山嵐〕との乳繰り合いや学生の乱闘に巻き込まれたり、無鉄砲でまっすぐな為に選んでしまう赤シャツへの御礼参りなどなどエピソード盛りだくさん。また客観性を排除し<おれ>の一人称で通す語りも、内容と相克しあって魅力が増している。実は寂しくて孤独感バリバリの辛いお話なのですが、漱石の書き方と坊ちゃんという人物によってなんとも言えぬ滑稽さと明るい雰囲気で読ませてくれる文字通りの必読書。キャラもとても立っていて〔山嵐〕〔赤シャツ〕〔うらなり〕〔狸〕などの教師陣は元よりちょい役でしかない骨董屋の主人やうわさ話好きの婆さんまできっちり人物像が見えてくるから末恐ろしいほど魅力を隅々まで詰め込んでいるのが分かる。漱石の普遍性に驚くがよろしかなもし。

この小説のラストは世間的には明らかに敗北であるとは思う。が、それを悲しいと捉えちゃうとこの小説の本質を捉え切れていないと僕は思う。少なくとも<おれ>が主人公である限り社会的敗北を喫しようと、信念のまま行動し、尚且つ清と共に暮らせる道を選んだことは、すなわち<おれ>と清にとっては至福のときを得た以外の何物でもないのです。だって最後の一行でもそれは顕著だし、もしこれで教師として上手く世渡りできちゃう<おれ>になっちゃったら、坊ちゃんでなくなっちゃうでしょ?(笑)すなわち客観的におれは敗北であるが、おれの主観では至福を得たのであるから、本書が客観性を排除した一人称で書かれていることを考慮するとおのずと本質は見えてくるわけなのですよね。そして坊ちゃんはいつまでも周りから見た坊っちゃんではなく、清にとっての永遠たる坊っちゃんだったんだと信じておるがなもし。ぞなもし。



4.4 なむなむ!


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.02 2010 【本:言語芸術】 comment2 trackback0

comment

igaiga
あたしも前のブログ(っていうか日記ブログ)に坊ちゃんとこころの感想レポを書いているのですが、あとで訂正したり修正してこっち(読書ブログ)にもってこようなんて考えてます。

案外(?)面白くて楽しかったですが、マドンナの存在があたしがイメージしているのと違ってちょっとびっくり。
あまり関わりないじゃないって・・・(笑)
2010.12.03 08:55
チルネコ
igaigaさんも夏目漱石お好きですか?読みやすくてちょっとこの
時代の作家さんとしては垢抜けた面白さがありますよね!w
ぜひとも読書ブログの方にも記事掲載してくださいね^^

そういえば僕マドンナの印象全然ないやっ(苦笑)
〔おれ〕のことばっか思考して読んでた覚えがありますw
2010.12.04 00:09

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