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高本茂 『初歩の経済学』

初歩の経済学


現代の経済社会の位置付けをコンパクトまとめ、一般人なら知っておくべき基本、市場経済のメカニズムと問題点を指摘。更に「プライス・メカニズム」「一物一価の法則」「均衡価格の変化」「需要の価格弾力性」等々で、経済学の基礎が身につく。   (BY BOOKデータベース)


『本が好き!』からの献本です。今回は小説ではなく経済学の本をいただくことにしました。タイトルにあるように〔経済学の初歩〕を扱った内容となってますが、「これを読めば経済学の入門書にとっつきやすくなるでしょう」と帯の紹介文にも書いてあったように、ホント基礎中の基礎といった感じで読んでわからないというような箇所は皆無でした(でも僕レベルでは付箋30枚くらいは使っちゃってますがw)。

内容の方はというと全8章にわかれていて、その表題にのっとった用語の解説やそれまでの経済のおさらいや流れなどが簡単に説明されます。ほんの少しだけ計算式などが入ってましたが理解できないというレベルのものではありませんのでご安心を^^

初歩的な経済本とはいえあくまでも経済学の本ですから、ただ単純に楽しく読み終わった~といってページを閉じれるのは好んで本書を手に取ったかただけでしょう。ですが、字も大きくて読みやすいしページ数もそれほどない(159P)本で、経済の表面をさらっとおさらいできちゃうというのはなかなかないと思われます。ので、経済学を学びたいけどどれから読んでいいかわからない方や講義で経済学必須だから嫌でも理解しなきゃ~という方にはお薦めできると思います^^

ここから章ごとの感想をしたいと思いますが、僕も経済学はほぼ初心者レベルなので、それもご考慮にいれて感想を読んでいただけると本書がどれくらいの位置の経済学を語っているのか理解しやすいかと思われます^^


第Ⅰ章 現代の経済社会の歴史的位置

アダム・スミス『国富論』から引用された〔ピン工場〕の逸話を皮切りに 人類史の三大変革から【ペティ・クラークの法則】に則った産業の推移の解説を、図解と対比しつつ現代までの経済の大きな流れを知ることが出来るようになってます。トフラーの『第三の波』などの記述もありますが、ホント第一章は基礎中の基礎で5分程度で概ね理解できるようになってます。

第Ⅱ章 市場機構と価格

この第二章から経済の枠組みを大まかにカテゴライズさせて、少しだけつっこんだ説明・解説がなされてます。ここでは現代の【市場経済】を市場メカニズムから価格、需要と供給、市場での失敗などをグラフで表しながら読み手へ理解を促してました。

ここで理解しやすかった箇所はというと【プライス・メカニズム】での〔売り手〕と〔買い手〕をグラフ曲線で見せてくれたところです。ここにそのグラフのいくつかを載せれないのが残念ですが、アダム・スミスの所謂「神の見えざる手による調和」という言葉がグラフでピッタリ体現できちゃってる印象があり経済の奥の深さを感じてしまいました。こういうグラフを用いてわかりやすく説明してくれてると、今持ってる経済への興味が持続できてありがたいです。

第Ⅲ章 現代の企業

この章では今後の章で日本経済を知るための準備のようなもので、〔企業・政府・家計〕の関連性を読み解き企業の本質に迫ろうという試みがなされてました。まずは封建領主~重商主義~夜警国家の流れからなる【レッセ・フェール】(なるにまかせよ=政府は何もするな)、そして1930年代の大不況から世界が学んだ「見えざる手」からの脱却におけるケインズ理論の浸透。そして石油危機からくるレーガン、サッチャー、中曽根などの世界の【小さな政府】化への推移が主な命題です。ちなみに小泉内閣の〔構造改革〕もこの小さな政府の延長でしかありません。

また、〔現代の企業〕ということでディスクロージャーなどの記述があり、(P/L)や(B/S)なども語られるので簿記系の方には有利に働く章ではないかと思います(笑)

第Ⅳ章 国民経済と国民所得

四章は短く日本経済をマクロの観点から捉え、国民の経済・国民所得を学ぶ章です。比較的よく耳にするGDPや経済成長率などなのでさらっと読めてしまうのではないでしょうか。いかんせん記述されている金額が40兆というようなとんでる数値なので実感はわかないですが、それが経済学なんでしょうね(笑)

第Ⅴ章 財政政策とその必要性

ここでは国の財政の役割、その重要性や効果やひずみなどを語ってる章でしたが、この章は今までで一番難しいかも知れません。〔財政制度〕や〔ケインズ理論〕などは全然問題なく進めるのですが、そのあとに〔乗数理論〕というのが登場するんです。これがやっかい。なぜやっかいかというと、そう、GDPの数式があるんですよねぇ~^^。ちょっとした数学に突入しちゃうわけですが、本書ではこの数式以上に難しい計算はありませんので、ここがヤマです。しかも、この数式、一見難しく見えちゃうんですが、記号を覚えたら非常に簡単になります。ここを越えれればケインズ理論の理解達成です^^

第Ⅵ章 貨幣と金融

この章では貨幣と金融にまつわる経済現象の考察です。M1・M2・M3などの現金と通貨、日米のマネーサプライの違い、三大メガバンクへの編成や信用創造やデリバティヴ(禁輸取引)などなど。中央銀行と金融政策の箇所では、なんと僕が読んだリチャード・ヴェルナー『円の支配者』の記述がありました!僕が読んだ数少ない経済本の名が載ってるとそれだけで嬉しくなtっちゃいますね^^

第Ⅶ章 国際経済

ここでは世界経済を俯瞰し経済全体を見渡す試みがなされている章です。フリードリッヒ・リスト『農地制度論』や〔ブレトンウッズ体制〕などがミソです。また、ニクソン大統領金とドルの交換禁止、G5の初会合なども重要でしょうか。

一番の要チェックだと思ったのはソロスの「市場は予測者が予測する事象に影響を及します。逆にいえば予測者が予測すること自体が、市場に影響を与えるのです。」という再帰性の考え方です。通貨の暴落や銀行の倒産などはやっぱヘッジファンドがやろうとしてやったのですね、、、恐ろしや^^;

第Ⅷ章 戦後日本経済の歩み

そして最終章はそのまんま戦後の経済成長から経済大国へ至る道筋です。急速な高度成長からボトル・ネック現象へ。それから国民所得倍増計画で先進国をごぼう抜きにしニクソンショックのドル危機。田中角栄の「日本列島改造計画」~インフレとスタグフレーションの慢性化、バブル崩壊などなど。

レーガンの「レーガノミックス」、サッチャーの「小さな政府」、田中角栄の「行政改革」などなど政府の規模縮小へと世界が動き始める。しかし、また円高不況が始まりついに日銀が公定歩合2.5%へ引き下げなどなど、比較的長くページがとられ説明にも力が入ってます。

政府が経済支援したということがあって今程度の被害ですんでいると本書ではかいてましたが、本当のところはどうなんでしょうか?ヴェルナーは黒幕は日銀だと言ってましたし、それを知るのがこれからの命題としたいと思います。

本書は簡単な流れと説明で構成されてましたが、初心者にとってはこれで十分満足のいく内容でありました。逆に玄人さんには物足りないとは思います^^。これから経済学を学ぼうと考えている方にとっては正に効果的なテキストです^^


3.6 なむなむ!


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.04 2010 【本:言語芸術】 comment8 trackback1

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風竜胆
こんにちは
この本、私ももらいました。
レビュー、先を越されてしまいましたね(笑)
私も頑張って読まなくては・・・
2010.12.04 14:26
レビューお疲れさまでした!
大変くわしく丁寧でわかりやすかったです!

経済学の基礎中の基礎なんですね。
最終章などはかなり面白そう!
本が好き! の方も覗いてみます☆
2010.12.04 21:20
チルネコ

>風竜胆さん

こんにちわ~~^^

おぉー風竜胆さんもこの献本貰ったのですねぇ~~。今のところこれ一冊
だけの献本なので、早々に読んじゃいました(笑)
風竜胆さんのレビューも楽しみにしております^^
2010.12.05 08:39
チルネコ

>惺さん

ありがとうございますぅ~~^^
そう仰っていただけると書いた甲斐があるってもんです(笑)

僕も経済学はまだまだ初歩の初歩なんですが、それでも今まで知った
事柄も多く、尚且つ知らないことも少しあったって感じでした。
本が好き!のほうでもいつもありがとうございます!
2010.12.05 08:42
読書系女子
ひぃ~難しそうです^^;経済かじったくせにわからない・・

安部芳裕氏の「日本人が知らない恐るべき真実 ~マネーがわかれば世界がわかる~」ってご存知ですか?
コレ読んで、私がかじった経済学って一体なんだったのかしら?なんて思ったんです・・
もし良かったら(本当にもし良かったら・・)http://bestbooksdokusyokei.blog64.fc2.com/blog-entry-355.html←こちらに読書系女子の戯言がありますので、読んでやてください(お暇なときにでも)

あぁ~、それにしても日米のマネーサプライの違いとかデリバティヴとかさっぱりわかんない^^;;;
2010.12.06 09:20
チルネコ

>読書系女子さん

大学とかで経済学をやってたんでしょうか?僕も少しはかじって
るんですが、まぁほぼ初心者の域です(笑)

このタイトルは聞いたことあるような気がします!でも、読書系
女子さんの所で装丁拝見したところ見覚えがないので
もしかしたら・・・・^^;
記事の内容のほうはとても興味深く読ませていただきました。
またどんどん紹介してくださいよ~~♪

日米の違いは算出方法の差異ぐらいなので読めば一発ですよ^^
デリバティヴは僕も本書に書いてあること以上のことは
わかりましぇん^^。
2010.12.06 18:29
風竜胆
こんばんは
TB&コメントありがとうございました。
やっと、読み終わってレビューを書くことができましたが、献本分がまだ残っていますので、頑張って読んでいかねばなりません。正月休みが頼りです(汗)
2010.12.16 20:15
チルネコ

>風竜胆さん

こんばんわ^^TBありがとうございます~。

記事拝見させていただきました!僕がちゃんと咀嚼できて
なかった部分もしっかりと書かれておられて勉強になりました^^

まだ献本積んでおられるんですね(笑)
お正月は読書正月になりそうですね!ご感想楽しみに
しております^^
2010.12.16 22:50

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