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柳広司 『漱石先生の事件簿 ~猫の巻~』

漱石先生の事件簿


ひょんなことから、英語の先生の家で書生として暮らすことになった探偵小説好きの少年。癇癪もちで、世間知らず。その上、はた迷惑な癖をたくさんもつ先生の“変人”っぷりには辟易するが、居候生活は刺激でいっぱいだ。なんせ、先生のまわりには、先生以上の“超変人”と、奇妙奇天烈な事件があふれているのだから…。夏目漱石の『吾輩は猫である』の物語世界がよみがえる、抱腹絶倒の連作ミステリー短編集。  (BY BOOKデータベース)


つい先日同じくミステリYA!から柳広司の『虎と月』を読んだばかりですが、YA向けとはいえなかなか楽しめたとうこともありもう一冊読む気に。『虎と月』は中島敦の『山月記』を換骨奪胎したものでしたが、本書『漱石先生の事件簿』はその名の通り『吾輩は猫である』の柳版である。と言っても原作の夏目漱石のように猫が主人公ではなく、ひょんなことから苦沙弥先生の家で書生として使われることになった中学生が主人公である。今回猫は客観的に描かれていて原作とは小説の構造からして全く別物と見ていいだろう。夏目漱石の『吾輩は猫である』は今のところ我が読書人生の中で十傑に入るくらい愛すべき本なので、それを柳さんがどう料理したか楽しみでもあり怖くもある心境で作品とご対面^^。

物語の筋は原作の出来事にのっとって書かれ、それにミステリYA!としての読みやすさとユーモア、日常に潜むちょっとした謎を足してミステリーとして変身させている。ただ本書は380P前後のボリュームしかないので、原作の膨大なページ数に描かれた出来事の半分も取り上げられてはいない。しかし、原作で愛すべき主要登場人物たち、苦沙弥先生(漱石先生)はもちろん迷亭氏や寒月などはちゃんと登場させているし、それぞれのキャラの特性(迷亭は意地が悪く人を手玉に取る)などはそれなりに受け継がれている。が、苦沙弥(漱石)だけは原作のような魅力溢れる人物とは違ってしまっているのは、やはり原作にはない書生という人物との絡みが必然だったからだろう。残念である^^。しかし、吾輩~を読んでない読者にはそれなりに楽しめるのかも知れないが、吾輩~を再読につぐ再読を重ねている僕みたいな人には明らかに物足りなさが残ってしまう。なんといってもラストがああいったハッピーエンド的な終わり方だとやはり別物と言わざる終えない。あろうことか迷亭氏と寒月くんにあの名セリフを言わせてしまうとは!(泣)ミステリとしても小粒だったので、感嘆することもなかったし。。。。も、唯一褒めるべきはラストに苦沙弥がアレを呟いた場面は原作にはない魅力を発揮してた本書の一世一代の見せ場であったこと。あの場面だけは原作にはない魅力を感じれた^^

本書は『吾輩は猫である』が好きな方は読んでも読まなくてもいいような作品である。ちょっと厳しい評価かも知れないが、あくまでも原作を未読の方が吾輩~を手に取るステップとしての本でしかなかったという印象が大きいなぁ^^。あの原作のワクワクはやはり夏目漱石の猫視点しか出せないのねん。


3.3 なむなむ!


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.10 2010 【本:言語芸術】 comment4 trackback1

comment

あらあら、被ってしまったわ~。
自分も今コレ読んでるんです。
レビューを拝見するとイマイチの模様。
ふむふむ、そうなのか~と納得しつつ、自分も頑張って書いてみます!
2010.12.10 22:29
チルネコ

>惺さん

ですね~~^^柳さん二連発^^w
今読んでおられるならウチのレビューはお気になさらず
読んだくださいよ~^^。
漱石が大好きなので受け入れがたかった部分もあったかも(苦笑)
2010.12.12 21:59
連投失礼します!!
TBありがとうございます。
自分もさせていただきますね~。
「吾輩は猫である」読んでみるわ~。
俄然興味が湧きました☆
2010.12.12 22:50
チルネコ

>惺さん

連投大歓迎なのでいつでもどうぞ~~(笑)
我輩はほわわんとしてたりもするので、なかなか
味わいのある作品ですよ^^文学というよりも大衆小説
なので読みやすいですしお薦めですw
TBありがとうございました~。
2010.12.13 22:40

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ご訪問ありがとうございます☆ 漱石先生の事件簿 猫の巻 (角川文庫)(2010/11/25)柳 広司商品詳細を見る  いわゆるジャケ買いです。表紙の漱石センセイに惹かれて購入。タイトルも面白そうだったので期...
2010.12.12 22:51 BIBLIO HOLIC

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