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森見登美彦 『ペンギン・ハイウェイ』

                    
ペンギン・ハイウェイ


小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした。未知と出会うことの驚きに満ちた長編小説。  (BY BOOKデータベース 角川書店刊)


登美彦氏2ケタ目の子供へと突入いたしましたのがこの『ペンギン・ハイウェイ』です。もう登美彦氏は著作が2ケタかぁ~とそれだけ感激いたしてしまうモリミ好きですが、2ケタに突入したと同時に何やら第二の登美彦氏へと変貌を遂げたと巷で噂になっていて、ご自身でもそう公言してましたね。「新境地、、、のつもり」みたいな弱気発言(笑)まぁ内容はどうであれ読む前からこの作品が好きなのはわかってました!だって登美彦氏の作品なんだもの^^(つまり贔屓目線以外では感想書けないということなのでご注意をくださいませ)。

いやぁ~参った参った。これはまたしても素晴らしい出来栄えではないですか!『宵山万華鏡』『恋文の技術』辺りですでに登美彦氏の第二期を迎えつつ二つ目の扉をノックしていたけど、本書で扉を一気に押し開けた感じでしたね。そしてその扉の向こうに存在した景色は今までとは違うが負けず劣らず素敵な景色が広がっていたのであります。新境地バンザイッ!!(笑)

でも本書は今までの登美彦氏の作風とは全く違い、舞台が京都でないことを筆頭にヘタレ大学生も登場しないし、モリミー造語も「ぐんない」くらいでほぼ鳴りを潜めるという結果となっており、登美彦氏の阿呆なユーモアの面が強く押し出されていた初期作品が好みな方からするとイマイチ手ごたえのない作品と思われしまうのではないでしょうか。しかーし僕は楽しんじゃえたんですよねぇ~(ニヤニヤ)もちろんモリミー造語が喪失したり京都が舞台ではなくなったという部分は正直残念でもったいないと思いはしました。が、これを省いたことによって生まれた登美彦氏の息吹があるんです。まずペンギンやジャバウォックや<海>などですが、これは引き続いて登美彦氏の魅力溢れるガジェット群ですよね。そしてこれまた引き続き魅力的であるファンタジーの要素も健在。何が真新しいの?ということこれです、科学的要素なのです。あの幻想的でファンタジックが代名詞な登美彦氏が遂に手を出したんですよ、科学の世界に!いや、本書をもちろんSF作品というつもりは毛頭ないのですが、これはその片鱗を伺わせてくれる作品であり『ソラリス』が好きと発言したことのある登美彦氏の今出せる最大限のSF寄りな作品なのだと僕は認識しております(ただし圧倒的にファンタジーの方に寄ってます。登美彦氏なりのSF寄りね)。

ペンギンやらジャバウォックなどはファンタジーな存在ですが、正体不明の<海>や未知なるものとのファーストコンタクトとしてみると、科学的根拠はないものの巷のSFに対する憧れが窺い知れます。そういったことを考慮すればあの<お姉さん>が謎のまま収束させたのも納得できるしピンとくる。そしてまた見落としガチだが<ぼく>の考察やこの<海>のルールを解明しようとする思考も論理立てて筋が通っており、スズキ君との会話で出没する<ブラックホール><ワームホール><ホワイトホール>そのほか多数の科学的配慮はSF強いては科学の世界への接触が試みられている証拠であり、ヴェルヌやレムなども嗜む登美彦氏が自作品においてSFとファーストコンタクトを行った証拠なのであります。これはSF好きでもあり登美彦氏ファンであるぼくにとっては大事件であり、かくも嬉しい出来事は層々ないもので、もはや僥倖の粋と言えるでしょう。主人公は少しアンファンテリブルに過ぎますが、この子が成長したときに同じく成長を見せてくれるであろう登美彦氏のSF世界が楽しみで楽しみでなりませぬ^^

SFSFばかり言いましたが本書はやはりジュヴナイルと一般的には認識され、ラストの場面では感動を呼び爽やかな余韻を残すような作品です。そして今までにはないくらい静かです。物語の起伏はあるし子供の冒険があったりと騒がしそうなのにサバンナで佇んでいるかのように静か。主人公の大人びた子供っぷりもあるんでしょうが、ラストを予感させる優しさが最初から最後まで包まれているんだと思います。そして男の子時代を通過した男性なら一度は経験があるのではないでしょうか?そう、年上の憧れのお姉さんです。かくいう僕も小学校低学年くらいのときに近所に憧れのお姉さんがいました。お話だけの世界のような設定ですがこういう優しくて構ってくれて憧れるお姉さんが近所に居たという方が意外と多いのが不思議です。しかも、やっぱりそのうちさよならしないといけなくなるんですよね^^。本書では少し違うお別れでしたが、なんかデジャヴをみた感じでウルウルしてしまいました^^;登美彦氏も万城目氏もジュヴナイルでウルウルさすよね~~(笑)・・・・・・・本書は今までで一番の意欲作ではないでしょうか?たとえラストがご都合主義でもファンタジーはそういうもんだハッハ~(笑)なので大満足です^^


モリミーに求めるものはそれぞれ違うと思いますし求めたものと違ったものが出てきて本書が合わなかったという方もここ数作では多いかと思います。が、僕は「モリミーにこういうのを求める」ではなく「モリミーが書いたものを求める」んです。すなわち怪奇調だろうがスラップスティックだろうが、SFだろうがあわや啓発本でろうとモリミーの脳から出現したものなら丁重に拝見し、それを必ずお気に召す自信があるんです(笑)それは盲目だといわれれば盲目ですしただの贔屓でもあるし阿呆な思い込みでもあるかも知れませんが、阿呆のしからむところなり!ですよ。なんとでもおっしゃい(笑)それでも僕はずっと好きであると思います、それが登美彦氏の生み出す3ケタ目の子であろうと(オイ)


4.8 なむなむ!
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.24 2010 【本:言語芸術】 comment2 trackback1

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この本読みましたよ~☆
今まで(といっても自分は4冊しか読んでないケド)の路線とちょっと変わっててなかなか面白かった。
ジュヴナイルとして読むのもアリなんですね~。目からウロコです。

森見氏の他作品、自分は何と言っても「夜は短し恋せよ乙女」が一番好きかな。
あの森見節がなんともツボでした!
2010.09.24 21:09
チルネコ
惺さんも読まれてましたか^^登美彦氏は大好きな作家で制覇してますが(笑)、一作一作ちょっとづつ毛色が違うから全く飽きが来ないですよね^^。本書はサイエンス・ファンタジーだったり青春ものって感じが強いですもんね。そういう意味では変な捉え方しちゃってるかも知れません(苦笑)
僕も夜は~は大好きであれを読んで下鴨納涼古本市行っちゃったくらいです。森見節はハマったら堪らんなぁ~ですね^^
2010.09.25 03:36

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ご訪問ありがとうございます☆ ペンギン・ハイウェイ(2010/05/29)森見 登美彦商品詳細を見る  森見登美彦の新刊! 挿画がカワイイ! とい...
2010.09.25 21:21 BIBLIO HOLIC

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