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恒川光太郎 『秋の牢獄』

秋の牢獄


十一月七日、水曜日。女子大生の藍(あい)は、秋のその一日を、何度も繰り返している。毎日同じ講義、毎日同じ会話をする友人。朝になれば全てがリセットされ、再び十一月七日が始まる。彼女は何のために十一月七日を繰り返しているのか。この繰り返しの日々に終わりは訪れるのだろうか――。まるで童話のようなモチーフと、透明感あふれる精緻な文体。心地良さに導かれて読み進んでいくと、思いもかけない物語の激流に巻き込まれ、気付いた時には一人取り残されている――。圧倒的な多幸感と究極の絶望とを同時に描き出す、新鋭恒川光太郎の珠玉の作品集。  (BY BOOKデータベース)


『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞した恒川さんの三作目の本書。ホラー小説大賞を受賞した『夜市』でしたが、これはホラーというカテゴリーには決して収まりきるような作品ではなかったと思いますし、グッっと心を持ってかれた作品だったので今後どのような作品を書いてくれるのか楽しみにしてた作家さんです^^(でも、雷~は飛ばしてしまったのですが^^;WHY?)

『夜市』は二編の短編が収録されていましたが、今作では表題作の「秋の牢獄」に「神家没落」「幻は夜に成長する」という全3作の短編が収められておりました。やはり短編でした。というのもこの方の文章はとても端整で綺麗であり、無駄な言葉はほぼないという簡潔な文章を書かはるのでウダウダと書き連ねる必要がないのです。長~いキングに完結光太郎といったところでしょうか^^wこういう短い一編一編に自分の表現したい世界観や雰囲気をちゃんと凝縮させつつも、ちゃんと読者の心を捉えるというのはやはりスゴイということではないでしょうか。

「秋の牢獄」は主人公がひたすら11月17日を繰り返してしまうというお話。その主人公はある日突然に11月17日を繰り返してるなと気付き、最初はそれを楽観視していたのだが他の人間にとっては11月17日を繰り返しているという認識がなく、自分だけおかしなことになっている主人公は徐々に寂しさと共にいつまで同じ毎日を繰り返さなくてはいけないのかと次第に不安が募っていくのです。しかし、ひょうんなコトから自分と同じ体験をしているリプレイヤーと呼ばれる人たちと出逢いそして・・・・・・というような物語です。タイトルの通り牢獄に閉じ込められてしまってますね^^こういう時間SFチックなモノは好きです。そして恒川さんの哀愁漂うこの雰囲気の共存具合がとても気に入ってしまいました。いずれも現世とどこか不可思議な世界との間を漂う者たちの姿を、端正な文章でノスタルジックに書いているのではやり前作と同様なにか民話のような趣があります。やはりこの人にしか描けないような世界観なんだなって思いますねっ。なので、この前読んだ森見さんの『きつねのはなし』の雰囲気が似ていたのでビックリしました!わしはこういうセンスの方がやっぱ好きなのですねぇ~(笑)

「神家没落」はとある民家に閉じ込められた主人公を中に住まわせたまま、全国各地を決められたとおりに移動する古い民家のお話。 これもやはり牢獄という閉じ込められたというもので、この本の共通テーマだったようです。閉じ込められるという異常な状況ながらも、主人公は次第にその生活にも慣れ楽しみすら見つけていくが。。。。。表題さくよりかはこちらの方が少しホラー色が強かったです。そしてこれの文章も静かな川の流れのように淀みない文章が際立ってます。「幻は夜に成長する」はちょっとトーンが下がり暗澹たる気持ちにさせられちゃいました^^;でも、子供の視点から書かれてたりもするので感情移入という点ではすごくしやすい物語であったとは思います。


今回は表題作が一番好きでした。恒川さんの自分の中でのNO.1短編は「風の古道」のノスタルジーと主人公の孤独感なのですが、本書を読んでやっぱ恒川ワールドって存在するんだなって思わせてくれた作家さんでした^^こういう系統はあまり読む機会がないのですが、恒川さんのはなんか今後も安心して読ませてくれそうな安定感もあるような気がします。そしてそしてこの方、もしかして本当にそういう体験してるんじゃないですかねぇ?なんて思ったりもしちゃいますね^^w



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