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マイケル・パタニティ 『アインシュタインをトランクに乗せて』

アインシュタインをトランクに乗せて



1955年4月18日、アルバート・アインシュタインが息を引き取った時、遺体の解剖を担当したプリンストン大学のトマス・ハーヴェイ博士は、あろうことかアインシュタインの脳みそをそっくり取り出して行方をくらました。それから十数年後、僕はその風変わりな老博士の噂を耳にする。脳味噌をタッパーウエアに入れたまま持ち歩いているとか、石油王が買い取ってクローンをつくろうとしているとか。そんな話を聞いて、僕は変人ハーヴェイと天才の脳に会いたくなった。アインシュタインの脳と白髪のイカれた老博士と僕が織りなす、心にしみる感動のノンフィクション。   (BY BOOKデータベース ヴィレッジブックス 訳 : 藤井留美)
今年第一弾の記事はアインシュタインものとなりました~。特に意味はないのですけどね^^。解説に〔理想的なホリデーブックだ〕とあったので読んでみたのです。アインシュタインの脳ときくとご存知の方は多いかも知れませんが、アインシュタインが逝ってしまって解剖後本当に脳が行方不明になったという実話があります。その実話を元に描かれたノンフィクションが本書なのです。

本書では語り手である「僕」とアインシュタインの脳を長らく所持していたハーヴェイ博士、そしてホルマリン漬けされた〔アインシュタインの脳〕がアインシュタインの遺族に逢いに行くというちょっと変わった目的を共有するロードノヴェル。〔脳〕も含め三者三様の行方が気になる物語となっている。読んでいるとこの二人と共に〔脳〕にまで何かを語りたそうな意思すら感じてしまう不思議があり、それゆえ三者三様という言葉を使って表現したくなってしまう。それは本書で語られるアインシュタインの逸話とアインシュタインが生前残した警句、そして数十年の時を越えて孫と対面するという義務を担ったただの〔脳〕とは思えない【物と者】が共存しているからなのだろう。最後まで読めばそれぞれの「これから」を見送ることもちゃんと出来る。

先に本書はロードノヴェルと書いたが車でアメリカ大陸を車で横断するというなんともほのぼのとしたロードムービーで間違いない。だがその牧歌的な風景が災いしてか冗長な部分というか大変退屈してしまう所が多いかも知れない(苦笑)語り手の「僕」が今で言うニートの男で彼女とのこれからとか初恋の話とか別段読みたいと思わない話の挿入も多く読むのが苦痛になってしまうこともあった。「僕」のキャラが立ってたらまた違うのだろうが、「僕」の魅力が薄いので感情移入もできない^^。だが、この三人が旅先で立ち寄る場所や人にはなかなか遊び心があって楽しいのも事実。作家ウィリアム・バロウズに逢いに行ったり、皮肉にもロスアラモスへ赴いたりとなかなかの読みどころはあるので、アインシュタインに惹かれて読むと面白い。

でもやっぱり一番感心するところはアインシュタインがどれほど偉大だったかという箇所であろう。〔死せる孔明 生きる仲達走らす〕ではないが、死して尚ここまで多くの人に影響を与えるアインシュタインはただただ偉大だと改めて感じ入った。もちろん科学的功績はいうまでもないが、それだけでこうも人々を魅了するとは思えない。原爆投下は元を辿ればアインシュタインが悪いという論も何度か目にしたことはあるが、アインシュタインを知れば知るほどそうではないという結論に至らずにはいられない。アインシュタインが手紙で促したとかそういう話ではなく、科学の発展がただ間違ったベクトルに向いてしまっただけなのである。もしアインシュタインが悪いと言うならば、まずは現代の科学の恩恵(電気やら何やら)を捨ててから言うべきであり、日常にある科学は良でアインシュタインの科学は悪というのはお門違いだ。でもまぁ現代の科学を捨てるなんてことは無理だろう。だったらやはりアインシュタインは偉大なのだと認識するのが道理。なぜなら科学での功績は人としての豊かさにおいては必須だからだ。歴史認識としてはまた違うのだろうが、アインシュタインそのものを否定するのはナンセンスでしかないと強く思った。


ロードノヴェルとして読むとイマイチ面白味に欠けるが、アインシュタインを主題とするとそれなりに楽しめる一作。


3.2 なむなむ!


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.05 2011 【本:言語芸術】 comment2 trackback0

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風竜胆
この本面白そうですね。

アインシュタインの導いた数式、E=MC^2(^2は2乗を現す)、シンプルで美しいと思います。

1905年、異なる分野での5つの論文を立て続けに発表し、それがどれも画期的だった。まさに天才です。

アインシュタインがノーベル賞を受賞したのは「光の粒子説」ですが、この恩恵はあらゆる分野で受けていますし、一般相対論でさえGPSに応用されています。アインシュタインがもしいなかったら、科学の発展の速度はずっと遅くなっていたでしょうね。
2011.01.05 22:18
チルネコ

>風竜胆さん

そうですね~、数式も美しいですし功績も計り知れないですよね。それとともに特許局で働きながらってのが僕はすごいと思ってるんですよね。ほぼ独学なんですよね?それが信じられないです!そういうとことひらめきが天才的な方だったんでしょうね^^

アインシュタインが発見してなくてもいずれ誰かが発見してたっていうのを耳にしますが、アインシュタインがいたからこそですよね!量子論に否定的だったのがイマイチわからないので(^^。)、次はそこらへんを詮索してみたいと思います(笑)

本書は風竜胆さんくらい科学の流れしっておられたら、そんなに面白くはないかもしれません^^;ロードノヴェルとしても普通ですが、、、興味を持っていただけたなら感想ききたい気持ちもあります(笑)
2011.01.06 16:37

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