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エドマンド・クリスピン 『愛は血を流して横たわる』

愛は血を流して横たわる


スタンフォード校長は頭をかかえていた。化学実験室からの盗難、終業式の演劇に出演する女生徒の失踪に続き、教師二人が射殺されたのだ。校長は、来賓として訪れていた名探偵フェン教授に助力を求める。犯行現場に赴き、鋭い推理を披露するフェンだが、翌日村はずれの田舎家でまたもや殺人が…。J・D・カーに私淑しミステリをものした才人による、黄金期の香気漂う英国探偵小説。    (BY BOOKデータベース 創元推理文庫)

本が好き!』からの献本です。感想期日ギリギリだぁ~~^^;;;

40過ぎのすらりと背の高い男ヒゲの先がピンと立っている男。それが本書の謎解き役であるアマチュア探偵・ジャーヴァス・フェン。知人が校長を務める学校に訪れていたフェンがその学校で起きた殺人事件の捜査を始めるのである。この探偵はもちろん初めて本書で僕は出会ったので、人物造詣や推理の冴えなんかを楽しみに拝読させてもらったのだが、これがなかなかいい味を出しているのである。

読み始めはなんだか牧歌的な学園風景の描写ばかりで探偵小説としての緊迫感は感じなかったのだが、これが後も長い間継続される。というかこの牧歌的な雰囲気と犯罪捜査の緊迫感の折り合いが上手いから読み終わってもちょっと不思議。牧歌的過ぎて拍子抜けすることもなく、かといって犯罪を扱ったもの特有の重さや暗さみたいなものも荷にならないのである。それは情景描写の書き方にもあるだろうが、このアマチュア探偵に寄る所が大きい。この探偵が犯人探しすることで、探偵小説と共にファルス小説としても両立させていて、どこかで笑ってしまうだろう。特に犯人とのカーチェイスの部分でのフェンの不甲斐なさときたら、人間くさくていいじゃないか。例外なくこの探偵も頭は冴えているのだが、どの人間でも持っている人間らしい得手不得手がチラリズムで魅せてくるのだから愛着が湧かないわけがない。なぜ作者がアマチュア探偵にしたのかここらへんから垣間見えてきた気がする。

作者はディクスン・カーに私淑し小説を書いたらしいが、カーの影響というものはあまり感じなかった。むしろカーの陰鬱でドヨ~ンとした雰囲気とは真逆の笑劇的な殺人喜劇なのである。だが探偵小説として、謎解きの読み物としては同じくらいエレガントだし、英国の探偵小説の色香漂う上品さもやっぱり感じる。クリスチアナ・ブランドとかジェイムズとか、英国の気品にはやはり歴史と重みが他の国とは違うものを感じる。のは個人的に英国推理小説を好んでいるからなのかな^^。

本書のタイトルからはなんだかロマンスとか殺人の画が浮かんでしまいそうだが、全く裏切られるだろう。僕の中ではいい意味で裏切られた。そして、この〔愛は血を流して横たわる〕が〔ラヴ〕という人物にかかっていたりもしていて、意識して読むと何かを発見できるかも知れない。ん~と、、、、、〔クリスピン〕とかね(笑)


3.8 なむなむ!


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.03 2011 【本:言語芸術】 comment4 trackback0

comment

牧歌的雰囲気のミステリー。
面白いですねえ。上品な作品という印象ですね。

自分は落選続きで、ちょっとヘコみ気味…orz
やっと気になる本があったというのに~!!


2011.02.03 21:51
読書系女子
Love Lies ~
愛は~横たわる

>ロマンスとか殺人の画が浮かんでしまいそう

おもいっきり浮かんでしまいます・・
翻訳もののミステリ(探偵?)ってあんまり読んだことないなぁ~と、ふと思いました…
2011.02.04 20:00
チルネコ

>惺さん

英国とかあの近辺の国の牧歌的なミステリーはいい雰囲気ですよ^^カドフェルシリーズとかも好きです^^

献本落選続きですか;;でも僕もこないだまで落選の連続でした(苦笑)でも最近は当選続きです^^めちゃ読みたい本落ちるとヘコみますよね^^。惺さんにも当たりますように!
2011.02.05 23:49
チルネコ

>読書系女子さん

浮かびますよね、殺人の画とか^^。でもこのLOVEが登場人物のLOVEとも掛かっていてタイトルの妙を感じました^^翻訳ミスは読みにくいって方もいますが、読まないと損する作品がいくらであるのでぜひ^^
2011.02.06 00:21

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