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竹内信夫 『空海入門 ~弘仁のモダニスト~』

空海入門


空海は生まれながらに真言宗祖だったのではなく、自身の自己探求の歩みの帰結としてそうなったにすぎない。人間空海を導き、つき動かすものは、純粋無垢な菩提心だった。山と都市、高野山と平安京、唐代中国と日本、重なり合う複合的な磁場のなかで自らを形づくり、日本文化の設計者となった天才的個性の生涯。   (BY BOOKデータベース ちくま新書)

唐突に空海に関する本を読みましたが、別に奇を衒ったわけではありませんよ(笑)知の巨人松岡正剛さんの『空海の夢』という著作を読みたいんだけど、空海のことというと遣唐使や最澄と関係が深いなどのレベルしか知らなかったので、まずは〔空海〕が何をなし何を目指したのか?ということぐらいは知るのが礼儀だと思い入門書を手にとってみたわけです。


はじめに書いておきたいことが一つあって、それはこの著者が別に空海の専門家だけでやってきたというわけではないという点。竹内信夫という人はフランス文学を専攻された方で、マラルメにどっぷり浸かり、レヴィ=ストロースやデュモンなどの訳にも手を染めている方なのである。ということは、西洋思想にも造詣が深いわけであり、その方が東洋の密教、しいては空海を紐解くというのは、個人共感が高じてのことであっても実に興味深いことではないだろうか。西洋思想と東洋思想の両方から捉えられるわけだからアカデミックさ以外の何かがあると期待してしまう。

空海は高野山に魅せられ早い時期から高野山で一生を終えると決めていたようだ。彼の実人生を知れば知るほど高野山への想いの強さがうかがい知れる。空海にとっての法身の里は高野山なのだ。その空海がみた高野山は時の流れによって今の高野山の風景とは全く違うだろう。しかし、著者はちゃんと空海が見た風景を共有しようと自分の足を運ぶのである。というか六ヶ月住んだらしいのだ(笑)ただの机上の空論ではなく、空海探求の粋に達しているので、空海一本の専門家ではなくともその空海論を〔渉覧山水〕させてくれる。

空海が遣唐使として最澄とともに派遣されたことは知っているが、一度目の遣唐使には選ばれてなかったというのは知らなかった^^;一度目は舟が嵐にあい帰還し、難破した船の欠員のような感じで遣唐使に選ばれたのが空海なのである。しかし、これが空海の転機であり、空海が梵字を初めて持ち帰ったり曼荼羅の人と呼ばれるにいたった大仕事なのだ。これだけでも空海の信仰の真髄を少し知れた気になってしまう。そして金剛峰寺を建て、空海の死は本人の願いどおり高野山で訪れる。空海は最初から最後まで高野山に超魅力を見出していたようだが、空海の願いはことごとく叶っているらしい。それが空海の凄さなのだ。成したことも大きいが、空海が一番成したいと思っていたことまでも成し遂げられているのだから、空海の夢は達成され偉人賢人となれたのだと思う。本書を読んでいると空海という人の魅力がますます深まるばかりでその好奇心を拭い去れるのか心配になるくらいだ。

ただ本書のタイトルが『空海入門』とあるように〔入門書〕としてのテクストとなりえるかというと、これは首を傾げてしまう。なぜなら、最澄との決別などには言及していないからだ。真言宗・天台宗の関係は空海・最澄を語る上では重要だと想うのだが、あえて語らなかった意図が理解できない^^。本書にある空海探求には感じ入るものがあるが、空海入門としては少し省きすぎている感があるのも否めない。ただ本書は密教が空海によってどうのように伝えられたか、また空海の功績の大きさを知る上ではこの上ない資料となるのは間違いないと思うので、空海・密教に興味があるかたには一読の価値ありと太鼓判を押したい^^



※読書メモ : 司馬遼太郎 『空海の風景』 経範 『弘法大師』 聖賢 『高野大師御広伝』 



3.7 なむなむ!



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.28 2011 【本:哲学/信仰】 comment2 trackback0

comment

くう
密教関連は日本美術の本を読んだときに、
少しお目にかかったくらいです。

遣唐使が中国から持ち帰った宗教や、曼荼羅などの美術品は、
日本に大きな変革をもたらしていますから、
機会があればこういった本も読んでみたいですね♪


あと、どうでもいいことですが、
最終段落の1行目に脱字があります。
(『空海入』→『空海入門』)
2011.03.01 23:09
チルネコ

>くうさん

いろんなジャンルの本を読まれてるんですねー。
空海本に興味があって読んで見ましたが、もっと深く
切り込んで読んでみたいと思いました^^

空海、しいては密教関連で面白かった本とかあれば、
教えてくださいね♪

おっと、脱字がありましたね^^;修正しておきました~。
ご指摘ありがとうございました^^
2011.03.02 14:41

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