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アントニイ・バークリー 『第二の銃声』

第二の銃声


高名な探偵作家ヒルヤードの邸で、ゲストを招いて行われた推理劇。だが、被害者役を演じるスコット=デイヴィスは、二発の銃声ののち本物の死体となって発見された。事件発生時の状況から殺人の嫌疑を掛けられたピンカートンは、素人探偵シェリンガムに助けを求める。二転三転する論証の果てに明かされる驚愕の真相。探偵小説の可能性を追求し、時代を超えて高評価を得た傑作。  (BY 背表紙参照  創元推理文庫)


本が好き!〕の献本です。


『毒入りチョコレート事件』でもバークリーは推理小説の形はかくかくしかじかだけではないとチタウィック氏に述べさせていた。それはこうである。「与えられたある事実からは単一の推論しか許されないらしく、しかも必ずそれが正しい推論であることになってるのがしばしばです。」と。これはバークリーの時代だけでなく、今でもなお通用してしまうほど的を得た表現だと思う(もちろんそうでない作品も多々あるが)。しかし決してバークリーのこれは型にハマった推理小説のアンチテーゼではないのである。だからこそバークリーはすごいのだ。独創的な発想であり、それが作品の構成や推理の型隊として表れていて今でも他の推理小説作品と一線を帰す面白さを持ってるんだと、バークリー二作目にして思ってしまうほどなのだ。

本書もバークリーの推理の形が如実に表れていて舌を巻いてしまった。殺人の喜劇を仲間内で催して、近隣の作家に推理してもらうといういかにもな祖筋を追ってみると、なんだか平凡に思えてくるかもしれない。しかし、そこはバークリー。心理と人間性にアプローチを試みつつも、推理小説としての核はがっしりと備えているのだ。犯人がいるからにはあからさまな描写や心理的な動きを描くことはままならない。やはり「さりげなく」になってしまう。しかし、バークリーは大胆に人物をリアルに描こうと試みているし、探偵役であるシェリンガムをこの上ない手綱捌きで操っているのだ。こればっかりは最後まで読んだ者だけの特権だろうが、この犯人を知ったときに感じる伏線の配慮には並々ならぬものがあると言わざる終えない。なんとなーく犯人は○○だと察知できてしまし、実際それがそうなってしまうのである。が、バークリーがチタウィック氏に言わせた言葉を思い出していただきたい。そう、バークリーはここでもそれを遂行し、どんでん返しとは何かを教えてくれるようなラストへと到達させているのだからあっぱれ以外の何も言うことがない。

もちろんキャラやラストを読んだあとの木目細やかな伏線なんかも素晴らしいものがある。だが、バークリーが提示する探偵の役目は、何も推理の解決へと導くだけの存在だけに留まらないという大胆でユニークな思考をもって活躍させるそこにこそ面白さがある。探偵=答えではない。だからバークリーは素晴らしいんだ。


4.1 なむなむ!


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.16 2011 【本:どんでん返し/名推理】 comment6 trackback1

comment

とうとう読まれたんですね。
参考にさせていただきます!
実は自分はまだ読んでいないという…どうしよう!!

読売新聞、読みましたよ~。
スゴイですね。100文字内にビシッと収めて、
なおかつ、読んでみたいッと思わせる内容。
さすがです☆
2011.03.16 23:41
チルネコ

>惺さん

こんばんわ。バークリーは一作目が好きな作風だったので、さっそく読んじゃいました~^^二作目も良好でしたよ~。感想楽しみにまってます。

ありがとうございます^^。三つくらい送ったんですが、出版社様の意向でこれに決定しました(笑)無駄に文字数つかってしまったかな~と思ってましたが、そう言っていただけると励みになります^^w
2011.03.17 20:19
チルネコ

>内緒さん

こんばんわ^^全然構わないですよ~。役に立てるなら何なりとお申し付けください(笑)

京の現状はまったく普段と変わりませんよ^^
ガソリンスタンドもコンビニもスーパーも、いつもと
同じ感じで、買占めなんかもありません。
道路もいたって普通なので、ご心配なさらなくとも
大丈夫だと思います。

なので、ホテルもそのままにいろんな名所を回って
エンジョイしてくださいませ^^
2011.03.17 20:23
チルネコ

>内緒さん

こんばんわ^^
いえいえ、少しでもお役に立てれれば幸いです。

まだまだ予断が許さない状況のようですが、自分が
やれることやったら後は願うのみです。
それぞれのできることや役目がありますもんね^^

なので、気持ち切り替えてぜひぜひ京へおいでやすぅ~(笑)
登美彦氏の小説読むのもいいと思います。小説内で登場した
地名におぉ!となりこと間違いなしです!
でも、登美彦氏の作品にはほぼ観光地とか出てこない
ので、どうなんでしょうか(苦笑)
やっぱるるぶとかガイドのほうが為になるかも知れません^^


・・・・でも僕は登美彦氏の肩を持つ!www


2011.03.18 20:53
木曽のあばら屋
こんにちは。はじめまして。
1930年にこれを書いたんだからぶっ飛んでますねバークリー。
全編に漂うシニカルなユーモア、何段構えもの解決、
そして最後に明かされる意外な真相。
ジャンルとしてのミステリを解体・再構築する魔法の筆に酔いました。
ロジャー・シェリンガムのおめでたい名探偵ぶりにもニンマリです。
「ジャンピング・ジェニイ」も最高だったし、
創元推理文庫さん、いい仕事してくれますね~。
2011.03.18 21:44
チルネコ

>木曽のあばら屋さん

初めましてこんばんわ^^ご訪問ありがとうございます。

そうですねー、古典本格のなかでも他とは一線を帰す作風ですよね。特に僕は多重解決なんかが好きかも知れません^^シェリンガムはちょっと可愛そうな気もしますが、面白いのでまぁOKですよね(笑)「ジャンピング・ジェニイ」も面白かったですか!まだ未読なので次のバークリーはそれにしようかな~と思ってます。
2011.03.19 21:58

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ご訪問ありがとうございます☆ 第二の銃声 (創元推理) (創元推理文庫)(2011/02/12)アントニイ・バークリー商品詳細を見る  本が好き! からの献本です。  初めて読んだ作家サンだったのですが、最近...
2011.03.19 22:39 BIBLIO HOLIC

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