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鶴田俊正 『規制緩和 ~市場の活性化と独禁法~』

規制緩和


本書で私が論じようとしたことは、日本の経済社会においてマーケットメカニズムが正常に機能するための制度的枠組みはどうあったらよいのか・・・・・政府規制と読禁法規制の双方について、政府と産業との関係はどうあるべきか、ということにおかれている。   (BY 本書掲載文 ちくま新書)


本書を読んだ理由がただただ唐突である。TVで〔規制緩和〕というフレーズが飛び交ってるものを観ててあまり話についていけないのが悔しくて、急に知りたくなったのである(笑)急に読みたくなって買ってきたものということで選択の余地はなく、初版は少し古い1997年刊。法律の世界で10年も時が経過してるということは、法改正などで随分それらを巡る環境は変化しているかも知れないが、知識が皆無な者にとっては一連の流を知れるということでよしとしようと思う。

まず規制緩和とは何かというと、文字通り「規制を緩和する」という意味である。マーケットを独占・寡占させない為など、市場の保護の観点から設けられたのであるが、規制に大まかに二種類あって、まず一つ目が【政府規制】で別名〔直接規制〕とも呼ばれる。もう一つが【独占禁止法】でこちらは〔間接規制〕とも呼ばれる。これらは経済を隅々まで市場原理で覆い尽くそうとしているのではなくて、一定の市場の競争や国民の利便性などにも密接に関連しそれをよりよいものへと昇華させるために設けられた。

規制緩和という制度は古くからあったが、「規制の緩和・見直し」というものが重要なテーマとされたのは、1993年に細川連立内閣が発足してからのようだ。その後めまぐるしく変わった政権の中でも、このテーマは常に重要な政策として考えられてきた。これに関連する動きは米国ではカーター政権から、英国ではサッチャー政権からみられたということもあり、国際社会というグローバルな世界でも風潮として同じベクトルを向いてるとみていいだろう。というか、やはり日本は後発国型からルール型規制へと脱しえてないようだし動きも遅いような印象を受けてしまった。

規制緩和を語るときに【政府規制】と【独占禁止法】という二つのものが重要かという前提の前に、日本の現状を語ると日本は〔規制国家〕と呼ばれるほどがんじがらめの規制網が敷かれており、ここでも「異質」の国という位置づけのようなのだ(苦笑)GHQが整備した体制をそのまま継続してるものが多いが、これもその部類なのかも知れない。まぁ現在では良くも悪くも規制緩和の影響は周りでみられるようになったわけであるが、以前は政府の産業介入は全幅の信頼が寄せられていて歓迎されてた。だがそれではいけないということで「いままでのような保護行政という観点からではなく、ルール型の規制へと転換してゆく」方向へ進み、軽視されがちだった〔独禁法〕の重視・整備が重要視されるようになったのだ。これは今までの産業育成という観点だけでなく、独占・寡占から市民を守るという観点も重視するという動きにおいても重要な方向性なのである。

もし独占・寡占が罷り通ってしまったら、あらゆる商品の価格を企業が操作できるようになってしまい、極端な例だが「じゃがいも一個1000円」というのも罷り通ってしまうのである。それが全製品に波及してしまうとどうなるだろうか。人間は食料を摂取しなければいけないから、どうしても買わなくいけなくなるが、消費者にはどうしようもなくその価格で買わざる終えないのだ。そういうことにならないように、【政府緩和】と【独占禁止法】がバランスよく市場にリズムを齎すこが大切なのである。

現在でもまだ問題は山積みであるようで、その最たる例が〔護送船団方式〕と指摘されているように、極端に競争の微弱な分野があったりするのだ。このような競争部分と非競争部分、すなわち政府規制産業の幅広さの反面、独禁法適用除外制度の有無が問題視されている。また、細分化して例を挙げてみるとまず電力会社の問題がある。電力・ガス・鉄道・バスなどなど、市民に密接に関連してくるものなので介入は適切であるといえるが、先進諸国と比べると電気料金は高いようである。これも政府規制が原因で競争する相手がいなく基盤が微弱になってしまうのだ。今電力会社の方々は原発の対応に命をかけて頑張っておられるが、これとはまた違った別の次元で情報開示の遅さなどが指摘されている。これはもしかしたら競争相手がいなかった電力会社がぬるま湯に浸っていて、責任問題の意識や危機体制の整備不足などが低いからのかも知れない。競争相手というのは経済の活性化には不可欠なのだということが痛いほどわかる例ではないだろうか。また、読書好きには密接に関係するであろう、再販制度などもある。〔再販制度〕とは「メーカーが卸売価格や末端の小売価格を決めて販売できる仕組み」のことであるが、こういった価格拘束は企業間競争を阻害し国民利益を損なうから禁止されている。だが、著作物(本や新聞や音楽CDなど)や一部の化粧品や医薬品には再販行為が認められているのである。こういうものは公平性に欠けるし指定再販の全廃が求められている。

またつい最近話題になった派遣労働の問題も一連の規制緩和が関わっているとも言われており、これは規制緩和の失敗例といっていいだろう。市場拡大の為に規制緩和は必須だが、規制する産業と自由経済に委ねるものとを取捨選択し、市場リズムを損なわないよう円滑な活動が育まれる改革が今後とも推進されてほしいと思う。



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.30 2011 【本:社会派/社会】 comment2 trackback0

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風竜胆
こんばんは
規制に関しては、私は2通りあると思っています。一つは特定の業界を保護するための規制。これは、当初は意味があったのでしょうが、時代とともにその意義が変化していきますね。

もう一つは、保護するのではなく、必要かどうか分からないようなことまで過剰に企業に課すということ。こういった規制も結構多いように思います。
2011.04.01 22:48
チルネコ

>風竜胆さん

こんばんわ。仰るとおり業界保護の観点は時代の推移とともに、ニーズも異なってきて古い体制のものは改正されるべきだと本書でも指摘されておりました^^もう一つの過剰な規制もまた多いみたいですね。政府はそういうのを見極める眼と実行力をもって規制緩和に励んでほしいと思います。
2011.04.02 02:10

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