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勝間和代/宮崎哲弥/飯田泰之 『日本経済復活 一番かんたんな方法』

日本経済復活一番かんたんな方法


このままでは、日本はほんとにダメになる―飯田「脱デフレ政策、金融政策というのは、そんな難しい話じゃないんですね。それなのに、脱デフレ政策って非常に遅れたわけです」。宮崎「というか、まだ本格的には全然始動していない」。勝間「最近ようやく、しぶしぶ認めたぐらい。現状認識して、これから対策を立てて実行に移すっていう段階です。それを後押しできればと、こうして緊急で座談会をしているわけです」。徹底的に考えました。    (BY BOOKデータベース  光文社新書)   (BY BOOKデータベース  光文社新書)

評論家・宮崎哲弥、経済評論家(?)・勝間和代、経済学者・飯田泰之というメディアで活躍する三人が日本経済の復活へのシナリオを鼎談。経済が専門ではない宮崎哲弥が勝間和代と語りつつ、経済学者である飯田が学者視点で意見を挟むというのが基本的な図式。なので、僕みたいな知ろうとが読む場合は宮崎哲弥視点で読むと読みやすいかと思う。

本書には大まかな主題があって、それはタイトルにあるように失われた10年とか言われるように長い不況に陥っている日本経済をどう脱出させるか?というのが主題だ。そしてその答えはとてもシンプルで「デフレをインフレにすればいい」ということ。そしてそれには「日銀がどんどん紙幣を刷ればいい」というなんとも単純明快な解が示されている。これは読んだ限りどうやら三人ともに共通の意識のようだった。まぁそれにはまず潜在GDPと潜在成長率の目標値へもっていき、安定化の為に安定化政策を行う。そして、構造改革を行うなどなどもっと細かな道筋も明記されていたりもするのでこのデフレ脱却という主題も論理的に論じられていた。

しかしこんなに単純な政策だけでデフレが解消できるとは信じがたい。一般人にもわかり易く、尚且つ専門的な用語もしっかりと咀嚼できるように説明されて理解しやすいかったが、この論だけでデフレが解消できるほど単純な図式じゃないような気がする。でも、これも一つの手であると思えるのは、日銀は今まで大量の紙幣を刷ったことがないからだ。日銀総裁は「こんなことしてもインフレはおきない」という意見のようだが、やってみたこともないのに決め付けるのはナンセンスな気もする。

少し話が変わるが〔フィリップス曲線〕を丁寧に説明した章があるのだが、ここで「失業率と物価上昇率の間には逆相関がある」という記述があってインフレ率が低いときには失業率が高いといっている箇所がある。それを踏まえて2004年~2007年に行われた〔テイラー・溝口介入〕という35兆円という大規模な円安誘導が行われた。このとき実は景気が少し良くなった(一時期景気は上向きだといわれてた時期)。まぁでもこれも失業率が下がる前に金融緩和を続けなかった為に効果がでなかったようだが、こういう政策もどんどんやっていったらいいと思う。無駄にばら撒きするくらいなら、こういう政府介入でお金を使ってくれたほうが個人的には全然嬉しい。なので、日銀に紙幣を刷らせるために日銀法改正とか何を言われようと政府介入して、日銀の尻を蹴っ飛ばしと動かせばいいんじゃないかな。やったことないのに、やってみる価値もないというのもないでしょ(笑)

またちょっと以外だったのは管総理の以前の発言である。今は発言に配慮が足りないとか情けないというような意見まである管総理だが、宮崎哲弥の記述にあった「最小不幸社会」というコンセプトは感心した。野党時代の発言のようだが、これは「ある程度幸福になるのは個人の努力によるべきだが、多様性のある人々の住む社会で、個人の努力だけではうまくいかない問題に関しては、政治で解決する」という意味。「個人の努力ではどうにもならない」というのは、すなわち貧困や病や争いのことであるのだが、これを政治で解決して不幸を最小化する社会を目指そうというもの。以前ベンサムの「最大多数の最大幸福」やジョン。ロールズ「格差原理」以来のアイディアだと宮崎哲弥も褒めていて、僕も管総理の観る目が少し変わった(少しだけねw)。コロコロ変わるここ最近の総理大臣はデフレについての危機感が薄かったようだが、管総理はそれに関しても弱いかも知れないが危機感を持ちつつあるというとこも+の印象だ。いろいろ意見はあるだろうが、総理らしからぬ発言や行動とこういう感心できる点があるということで、管総理の評価を「総理失格」という烙印を押すにはまだ時期尚早だと改めた。

あと最後にいうのもなんだが、まず多くの人が「デフレ」とは何かをちゃんと認識しなければならないといっていた。それは国民だけでなくメディアも政治家も同じで、デフレには良いデフレなんてないということ。スーパーなどで食べ物や日用品などの物価が安くなって消費者としてはそれは嬉しいことだ。だが、物価が下がるということはそれを生産する企業はコストを削減しなくてはならず、ボーナスや人員削減や減給に繋がる。そういうもので給与に影響がないのは政治家や公務員や大学教授やメディアだ。民間や自営業などの国民にはいずれ減給などの形で返ってきちゃうのだ。だから、目先の物価の下降に浮かれてはいけないという。もちろんハイパーインフレなんてのは供給過剰でデフレを引き起こしている日本においては起こりえないようなので心配しなくていい。またインフレというと物価が上昇して嫌なイメージがあるかも知れないが、これも誤解で、一定の上昇率を保っていさえいれば失業率は減少するとともに、経済成長するには一定のインフレ率も不可欠らしい。小泉政権下で規制緩和や民営化を主軸とした構造改革が行われたが、デフレ不況下という最悪な状況で実施されたりもしたので安易に呼応してはならない。なので、まずは一番にこのデフレスパイラルから早く脱却させて欲しいと願うばかりだ。でもこれ一冊でデフレへの処方箋を知った気になるつもりもないので、もっとデフレの関連本も読んでいきたい。



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.09 2011 【本:社会派/社会】 comment6 trackback0

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道楽猫
経済本は読んだことない私ですが^^;;
これはちょっと気になりますね。
「最小不幸社会」の考え方はいいと思います。
小泉サンが「努力した者だけが報われるべき」と言い放ったことと好対照です。
色々と批判されることの多い現政権ですが、批判するだけでなく、みんなできちんと前を向いて進めたらなと切に願います。
2011.04.10 09:14
風竜胆
こんばんは

この本の著者は、気軽にお金を増刷すればいいと言った主張のようですが、事はそう簡単ではないように思います。

お金をいくら増やしても、それが、実体としてうまく回らなければ意味がない。例のサブプライム問題にしても、低金利でじゃぶじゃぶにあまった円を利用した円キャリー取引が一因だと言われています。

お金を増刷しても、ただで、庶民に配る訳ではないので、企業の投資意欲が活発になったり、消費が活発にならない限りは、銀行にただ金額が積まれているだけですね。
2011.04.10 18:04
チルネコ
最近僕もやっと読み始めたばかりですよ~^^。
「最小不幸社会」のコンセプトはいいですよね。環境が人を抜け出せなくすることってやっぱると個人的には思ってるので、勝ち組だけがますます潤うような世の中よりは全然いいと思います^^管総理も微妙な評価をせざる終えないですが、メディアが流す悪い面だけを見て判断するのはよくないなと思いました。
2011.04.10 21:12
チルネコ

>風竜胆さん

こんばんわ^^

僕も本文に書いたように、確かにお金を刷るだけでは意味がないですね^^;それには安定化政策などいろんな事象と相乗的にしていかないととは仰ってました。その中でも日銀のふるまいは重要で、マネーサプライを増やしてインフレを促す流れをつくらなければという論。経済成長する為にも2%~程度のインフレにもってかないと、失業率なんかも連鎖的に反応してくれないみたいですね。

2011.04.10 21:22
読書系女子
難しいですね~。
どんなものもいつかは劣化する、価値が下がる、時代遅れになる。それなのにお金だけは寝かせておけば増えたりする。ここが問題で、だからなるべく使わない、貯めたい→デフレ、となるんでしょうね。
ほどよくインフレしていれば、寝かせたら損かも、と疑心暗鬼になって使うのでしょうけど。。。
マネーサプライをバンバン増やすのも、やってみる価値はあるかもしれないですね~。しかしその印刷した貨幣そのものに問題があるとしたら(私は問題があると思っているのですが)対症療法かもしれないかなぁ。。。

エンデの遺言読んでいらっしゃるのですね。
おもしろそうです。私も読んでみたいです。
2011.04.13 08:24
チルネコ
>読書系女子さん

ですね~^^。
読書系女子さんが指摘されたようなこと、今読んでるエンデの本で重要なガジェットとして語られてますよ^^物は劣化したり消失したりするけど、マネーはずっと存在するのは駄目だみたいな。エンデの本、読書系女子さんにピッタリかも知れません(笑)
2011.04.13 21:42

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