スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)

『ソラニン』

ソラニン



自由を求めて会社を辞めた芽衣子と、フリーターをしながらバンドを続ける種田。未来に確信が持てず、寄り添いながら東京の片隅で暮らす二人。だが、芽衣子の一言で、種田はあきらめかけた想いを繋ぐ。種田はバンド“ロッチ”の仲間たちと新曲「ソラニン」を完成させレコード会社に持ち込むが、反応のないまま日々は過ぎていく。そんなある日、種田がバイクで事故にあってしまう。遺された芽衣子は―――。


浅野いにおの同名漫画である『ソラニン』を映画化した作品。浅野いにおの世界観はすごく懐かしい気持ちを想起させてくれるので好きで、漫画のほうの『ソラニン』はもちろん持ってるし何度か読んでる。だから期待と不安の半々が入り混じる複雑な気持ちで手に取ってみた。

soraninn2.jpg soraninn3.jpg


画像をご覧の通りこの映画はBAND(音楽)が軸になっているんだけど、こういう音楽ものってやっぱ漫画では音がない分、絵で臨場感を伝えてどれだけ響いてくるか?だと思う。だけどこれは映画。漫画『ソラニン』は〔バンド(音楽)〕と〔青春〕という二極的な要素が主なのだが、やっぱり映画ともなると演奏シーンが必須なわけで、この二つの要素に〔音〕というものが加わってくる。この〔音〕が加わってくるということは、その音しだいで持っていた世界観や思い描いていた音楽性などが崩壊してしまう恐れがあり、それが一番怖かった^^;浅野いにおのノスタルジーや何の変哲もない人物が生みだす誰もが通過したことのあるような世界観が好きなだけにそれを潰されるというのが怖いのだ。もちろん映画と漫画は違うといわれればそうなのだが、原作を知っててスパッと原作を切り離して観れる人なんて絶対いないよね?(笑)

soraninn.jpg soranin.jpg


結論から言ってしまうとこれはなかなか素敵な作品だった^^ってか、鳥肌がたってしまうシーンがあったくらいだから、僕の好みのものがあまりない邦画の中ではベスト10には入るほどの作品と言ってしまおう(笑)

スト-リーとしてはとりとめて特筆するべきものがあるわけではないのだが、何かを感動させようとか涙させようとかいう見え透いた企みがないのが逆に好き(というか種田がああなるであろう展開がそのままなのには呆然www)。どこにでもいる普通の人物達が、ちっぽけだが自分たちにとってはとても重要な選択を迫られてもがいてあがいてそれぞれの答えを探しているという誰でも通過する〔青春〕。その道具というわけではないが、この人物たちが唯一持っているのが〔音楽〕でありバンド。それらがラストにとんでもないカタルシスを味わわせてくれる。

どんな世の中でも時代であっても、20代っていうのは何かに対してもがくものだ。人生の大転換期なのだから。それは夢を持っていても持っていなくても、何かしらもがいて何かを掴み取ろうとしたり見つけようとしたりするからだと思う(というか、しないほうがむしろ異常で心が躍動してる気がしない。)だが、それはたぶん実態がないもので、掴もうとしても掴めず、もがくだけ疲れたり傷ついたりしてしまう。だから20代はどこか冷めてるけど感情的で何も恐れず阿呆で、ふと一人になったとき心を覗くと虚無感がポツンと心に佇んでしまっている。でもそこを通過して突然何かが吹っ切れたようにならないと、いつまでも「子供のまま」から「大人になった気がする」へ脱却できない。そしてそのもがくという行為は20代(若さ)という時期にしないと、遅かったり手遅れだったり違うもがきになってしまう。僕は恋愛とかそういうのではなくて、こういうのが青春なんだと思っている(だからミスチルが良く唄う時代のせいにするような歌詞が大好きなのだw)。だから『ソラニン』の歌詞の「さよならなんだー」ってのが別れの歌には聴こえなくて始まりの唄に聴こえてくる。そしてその「さよならなんだー」のさよならが種田であり、始まりが芽衣子なのだ。

『ソラニン』はそこの重要な人生においての分水嶺を描いていて、これが見事に胸を抉ってくる。現代社会の一端を見せるイマドキ要素もあるし、少なからず青春を音楽に捧げた自分にとっては、バンドという題材だけで胸がキュンとしてしまったりもする。ストーリーはとてつもなく平凡だし、展開が予想できすぎてて苦笑いしてしまうが、その展開も最後のバンドシーンへの布石であって、この映画に入り込んでいろんなことを、巡らせて観ていた人にとっては自然で鳥肌がたったりいつの間にかポロッとしてしまっていたりするのだ。

その問題のバンドシーンは宮崎あおいが「ソラニン」を唄う場面であり、本作最大の見せ場でとてつもなく印象に残るシーン。「ソラニン」という曲の歌詞は作中に書いてあったものだが、映画にするにあたって音を付ける必要があるのだが、それがなんとアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)なのだ。アジカンといえばこれまでのすべてのCDジャケットに中村祐介の絵を使用しており(中村祐介は『夜は短し 歩けよ乙女』の装丁画を書いた方)、楽曲の世界観ととてもリンクしてて個人的には名フィーチャリングだと思い込んでいる(笑)

そのアジカンが手がけた楽曲がこれまた作品の世界観にマッチしてて、これはもう「何か持ってるな」と思わずにはいられないケミストリーの仕方をしてるのだ。宮崎あおいは作品を見る限り決して歌が上手いわけではないようだが、唄を歌うことの意味の捉え方が上手くて下手だけど上手い(笑)下手だけど上手いって何?と思うだろうけど、これはそのシーンを見てもらった方が手っ取り早いので動画をUPさせてもらうことにする。だけど、一つ言っておきたいのはこれから観ようと思ってる人はこのシーン先に観ちゃいけません。そして、このシーンだけ観ても、作品の流れの中で観るシーンとは月とすっぽんほど差があるのでお気をつけください^^

と思ったらPVがYouTubeにないー(笑)前はあってPCに落としておいたんだけど、UPしたら駄目だし。。。残念だけど、宮崎あおいの歌うシーンは載せれません^^;ので、せめてアジカンの唄う『ソラニン』をどうぞ!

ソラニン



これを映画では宮崎あおいが熱唱してます。ホント汗だくで臨場感があって、下手だけど唄うって何か知ってるから上手くて、ハート殴られたようにドキドキする。技術なんか関係なくなりふり構わず自分の感情をさらけ出して、歌詞に載せて叫ぶってのがギター片手に唄う醍醐味であり唄うという行為自体の意味でもあると思ってるから、宮崎あおいの感情の入れ方は歌い手として惚れてしまうくらい素晴らしいものがある。また、これまでの本編のストーリーがあるから、このシーンで解放される想いが計り知れなくて鳥肌も立つ。このシーンの為の映画といってもいいくらい、印象的なシーンなので、このシーンを観るためだけに本作を最初からみる価値があるといっても過言でないかも知れない^^


演技ではやはり宮崎あおいが飛びぬけて素晴らしかった。そのままでも漫画の主人公の雰囲気と合致してたからズルイといえばズルイけど(笑)種田役の役者さんは全く違和感だらけだったなぁ。下手ではないんだろうけど、あんなにツン度はいらない感じ^^;あと、本作のバンドのベース役にサンボマスターのベーシストである近藤洋一がコンバートされてたけど、この人も等身大のまま出演した?ってくらい作品にハマってて、ビックリした。上手いっていより自然体すぎて上手い(笑)



原作 : 浅野いにお「ソラニン」(小学館ヤングサンデーコミックス刊)
監督 : 三木孝浩
脚本 : 高橋泉
キャスト : 宮崎あおい 高良健吾 桐谷健太 近藤洋一(サンボマスター) 伊藤歩
メイン・テーマ「ソラニン」
エンディング・テーマ:「ムスタング(mix for 芽衣子):ASIAN KUNG-FU GENERATION(キューンレコード)
製作:「ソラニン」製作委員会
制作プロダクション : IMJエンタテインメント




4.0 なむなむ!


↓参加しております^^


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
人気ブログランキングへ
関連記事
スポンサーサイト
.29 2011 【映画:ミュージック】 comment0 trackback0

comment

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://kurogokegumo.blog135.fc2.com/tb.php/171-29284eec

プロフィール

チルネコ

Author:チルネコ
読書をライフワークとしております。読むジャンルは本のジャンルは基本的に小説です。特に文学、ミステリ、SFを好み。何かお薦め本があればご指南ください。リンク・コメント・TBも大歓迎ですのでどうぞよしなに^^

カレンダー

<< 05
2017
>>
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

訪問者数

ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へ

書評サイトさん

読書&鑑賞メーター&音楽メーター

チルネコさんの読書メーター チルネコさんの読書メーター チルネコの最近読んだ本 チルネコさんの鑑賞メーター チルネコの最近観たビデオ
http://ongakumeter.com/u/1347

MY リンク

ブログ内検索+用語検索

ブロとも申請フォーム

ブロとも一覧

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。