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茂木健一郎 『あなたにもわかる相対性理論』

あなたにもわかる相対性理論


二十世紀最大の発見といわれるアインシュタインの相対性理論は、どこが真に革命的だったのか?お茶の間でも人気の科学者が、「時間の遅れ」「物体の縮み」など、相対性理論のポイントを踏まえてわかりやすく解説する。また、著者自身が人生において大きな影響を受けたアインシュタイン思想の核心を10の視点から捉えなおす。巻末には著者翻訳の相対性理論「第2論文」を全文掲載。E=mc2がいかに導き出されるのかを読み解く。    (BY BOOKデータベース  2009.10.02  PHPサイエンスワールド新書)


TVで観ない週はないというほどメディアにどんどん露出している脳科学者・茂木健一郎の著作である。「脳科学の茂木さんが相対性理論?」と思ってしまったが、まぁ科学という繋がりとまえがきを読むと著者が相対性理論(というかアインシュタイン)について述べたかった訳が理解できる。

話が変わるがやっぱりこの「PHPサイエンスワールド新書」というシリーズには一言物申したくなってしまう。以前読んで記事にした常石敬一『原発とプルトニウム』でも言及したように、この新書シリーズのタイトルの付け方には難がある。本書は『あなたにもわかる相対性理論』というタイトルで、相対性理論についても図解や絵などでわかり易く説明している箇所もあるが、本書の内容のほとんどは相対性理論の事というよりかは、「アインシュタインで見る茂木の哲学」みたいなものなのだ。よって、アインシュタインの背景や信念や功績などでほぼ埋められており、これだったら「アインシュタイン入門書」という風なタイトルがしっくりくる。本書がこの新書シリーズ一冊目なのだが、一冊目からしてこういうタイトルの付け方ということは、やはりずっと内容を勘違いしてしまうタイトルだろうから、これからこのPHPサイエンスワールド新書を読まれる方は、タイトルで釣られず少し内容を確認してから購入・読書をはじめたほうがいいかも知れない(苦笑)まぁ悪くばかり言うのもなんなので少しフォローしておくと、このシリーズのラインナップを見るとなかなかすごい面子が執筆していて面白そうな本がいくつもある。池内了、佐藤勝彦、川上紳一、瀬山士郎、日高敏隆、養老孟司などなどなかなかのラインナップでしょ?(笑)

話がそれてしまったので本題に入ると、先にも述べたように本書は相対性理論を詳しく説明した本というよりかは、アインシュタインがいかに凄かったかということを、幼少期にアインシュタインを崇拝し始めた茂木が熱く語っているというものだ。相対性理論についても判りやすい絵などで説明されてはいるが、相対性理論やアインシュタインの関連本に興味があって読んだことがある者なら、すでに心得てるような事象しか載ってないのであまり参考にはならない。しかし、巻末にアインシュタインの最も有名な公式であるE=mc2を導いた【第2論文】がすべて掲載されていて、今までの記述と格段にレベルが違ってくる(笑)これは物理学をしっかりやってる者じゃないと理解できないような数式のオンパレードなので、全くこの導きの理解はできなかった。が、この論文、論文にしてはものすごく短いのだ。この短い論文をもってしてE=mc2という人類史上最もシンプルで美しい公式を導き出したアインシュタインはやはりそれだけで偉大だというのは身に染みてわかった。

でも本書を読んでいるとアインシュタインの偉大さは世紀の大発見をしただけではないというのを感じれること。それは著者の茂木の筆力と言っても過言ではないだろう。まず茂木のアインシュタインに対する眼差しがものすごく熱く、茂木の出発点がアインシュタインであり、科学のあり方をアインシュタインで体現してところが理解しやすい。「アインシュタイン力」という10の項目にわけて「アインシュタインはこうだった、だからこんな偉大なことができた」など、さすが脳科学者だというようなシンプルな言葉だが、誰でも容易に理解できる筆運びをしている。アインシュタインにつてい学びたいと思う方への入門書としてなら本書は満点ではないだろうかと思えるほどである。

特にニュートンの「絶対空間」「絶対時間」というこれまでの科学の前提に置かれていたニュートン力学の難を、疑問に思い続けて「特殊相対性理論」を完成させたアインシュタインの思考の根源にあるものはすごい。権力や既存の絶対的な理論にさえ間違っていると思えば、疑問を抱き続け本当の答えを導き出してしまうその姿勢。そして、その導き出した「特殊相対性理論」でさえ光につていは応用でず、自分が導いた理論であるにも関わらずそれを広げて「一般相対性理論」を構築してしまう柔軟さ。アインシュタインは考え抜く剛の力と何事も柔らかく思考する柔の力を持ってたからこそ世紀の偉大な人物になり得たのだ。どこぞの誰かがアインシュタインの脳を取り出して後世の為に保存するというような突拍子もない考えを実行してしまったのも、なんだが気持ちだけは理解できる気がする。実際やっちゃうのはなんだかなぁという気分にはなるが(笑)

長くなっちゃったのでここで締めくくろうと思うが、「相対性理論を漠然ともわからない」とか「アインシュタインって一体全体何が偉大なの?」と思ってる人にとってものすごく糧になる本だと思う。逆に「アインシュタインにつていもっともっと深く知りたい!」という人にとっては、他にうってつけでディープな本があると思う。だが、本書を読むとアインシュタインの有名な舌を出して写っている写真のあの舌を出した理由、それが茂木健一郎の筆から感覚的ではあるがなんとなくポーズをとっているアインシュタインの姿が想像できてしまうから茂木健一郎の言いたかったこともよくわかる。


3.4 なむなむ!


※読書メモ : インフェルト、ガモフ、ハイゼンベルク、ポアンカレ、マッハ、ランダウ、佐藤勝彦、ロゲルギスト


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.23 2011 【本:サイエンス/フィクション】 comment5 trackback0

comment

読書系女子
茂木先生のあの髪型(かなりボサボサ…失礼m(_ _;)m)とかTVに出るときのカジュアル(過ぎる)ファッションとか、アインシュタインの影響なんでしょうかねぇw

物理がまるでダメなので、この本を読んだけどやっぱり相対性理論はいまいちわかりませんでした。でも「相対」ってことがちょっとだけ理解できたかも…

E=mc<sup>2<sup>の論文はマッタク読めませんでした^^;
2011.05.24 08:35
読書系女子
タグ ダメだった涙
2011.05.24 08:37
風竜胆
アインシュタインは、相対性理論で知られていますが、実は特殊相対性理論を発表した年に、光電効果とブラウン運動に関する論文も発表しています。どれもノーベル賞級の功績で、実際ノーベル賞をもらったのは、光電効果の研究ですね。
彼の本当の偉大さは、これまで独立したものであった時間と空間が、互いに関連した時空として扱うべきだという発想の転換でしょうね。

少し気になった点をひとつ
>その導き出した「特殊相対性理論」でさえ光につていは応用でず、自分が導いた理論であるにも関わらずそれを広げて「一般相対性理論」を構築してしまう柔軟さ。

特殊相対論は、慣性系(加速していない系)の間の理論で、特殊相対性原理と光速度不変の法則から導かれたものですので、光はどんな慣性系でも同じ速度だと言うのが出発点です。慣性系の理論だったものを、一般の加速度のある系に拡張したものが一般相対論です。つまり、違いは、加速度のある系を扱えるかどうかとうところですね。
2011.05.24 19:23
チルネコ
>読書系女子さん

確かに茂木さんの髪の毛ってもじゃもじゃですね。。。もしや容姿や生きかたまでアインシュタインに・・・(笑)カジュアルはスタイリストなのか本人なのかものすごく気になってきましたw

僕も物理は駄目ですし、たぶん読書系女子さんが頑張ってる数学ももっと僕はだめです(笑)なので数式は理解できないので、根底からの理解はできないのかも知れません^^;でも知りたいので読みまくります(笑)

論文全くわかりましぇんね^^;一応最後までパラパラ捲りましたが・・・(苦笑)あっ、タグ・・・・・・・・^^ww
2011.05.24 21:31
チルネコ
>風竜胆さん

相対性理論を発表したときに5つ論文を発表してて、さらに重要なのが上げて頂いたものと特殊~みたいですね。ホント奇跡の年だったのですねぇー^^アインシュタインのノーベル賞受賞論文は有名ですが、やっぱり特殊~は先をいきすぎて審査るす側も理解できなかったんでしょうね(笑)ニュートンという絶対的な存在にも疑問を向けるアインシュタインは素晴らしいですね。


>光について~へのご指摘ありがとうございます!少し読み直してみましたら、どうやらガリレオの相対性原理が力学的法則なのに対し、アインシュタインの相対性理論は光学的法則を含む物理学全般へと発展させたというものと混同してたようです^^。

特殊での等速直線運動と一般の加速度運動の箇所も読み直してみました。拡張の為にニュートンの万有引力にまで疑ったんですね。あから皆既日食のとき・・・・永遠と読み直しました(笑)ますますアインシュタインの偉大さがふつふつと湧き上がってきますね^^

まだまだ理解不足なのでご指摘していただいて感謝です^^今後も間違っているとか勘違いしてるような箇所があれば、ご指摘くださるとありがたいです^^
2011.05.24 21:47

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