スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)

米澤穂信 『ボトルネック』

ボトルネック


恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。新鋭が容赦ない筆致で描く、等身大の「青春」ミステリ。 (BY BOOKデーターベース)

まぁ、なんとも感想を述べにくいというか、感想があまりない作品。。。人はなるようにしかならないとか、自分の環境を請け入れるしかないというようなものを描きたかったのか。でも、そうであるとしたら心の弱い人賛歌みたいになってなんのこっちゃわかりゃしない。ありったけの負をこめた小説だったのだろうか?う~ん、わからん(汗)

ある一つの世界と並行して(同時並行)もう一つの世界が存在するというのがパラレルワールド。本書はこのような現実とは違うもう一つのパラレルな世界にいつの間にか「僕」がいて、自分の同じ存在のような「姉」サキと出会う。そして自分の世界に帰ろうとする過程でパラレルな世界での自分・サキがいる環境と本来の自分の環境の違いをはからずも知っていくというような話。でも、この主人公がネガティブこの上ないのですよ。まぁ、自分が生まれずにサキが生まれてる世界では周りの幸福度も違うし、そうであれば自分の幸福度も違ってくるから、両者の幸福度を比較するとまぁ「僕」のほうは可愛そうだといえば可愛そうとしかいいようがないのだけど。。全部が全部気落ちしてて、読んでてこっちが陰鬱になってくる(^▽^;)(ニルヴァーナのカート・コバーンの自伝に比べたら随分マシだけども)違う世界を見て「僕」が「自分の行動しだいでこうも歩む人生が変わっていくのか!!」という考え方を得るのならまぁ救いがあっていいのですが、元は同じ環境のサキと見比べて「やっぱり受け入れるしかないんだ」「変えられないんだ」、あろうことか「自分とサキとは違うんだ」みたいなところに行き着いてしまうのは、どうなんだろう。だから主人公は自分の世界でも周りを変えられないという証明にはなったけど、それから?というのが読んでた大まかな感想(汗)そして読んでいけば読んでいくほど先が読めてしまう安直なストーリーもなんだか味気なくて、本来ページ数の多くない本なのに逆に時間がかかってしまいました(苦笑)途中で辞めてもよかったんだけど、最後まで読まないとその本の姿がわからないと思う派(そんな派あるか?)なので、これも何かの縁とおもって最後まで読みましたが。

褒めるべきはここまできたら最後の最後までとことん落としたといこと。あそこで「僕」の思考が急にポジティブになったら断然おかしいから、これはこれでよくやったというとこでしょうか。タイトルもしっくりきたのは来ましたし、タイムパラドックスもずれてないということ。後得るものがあったとしたらこんな風には絶対なりたくないから努力しようということぐらい。

本当に心が弱くポジティブな人が本書を読んだらどうなるのでしょうね。「こんな風にはなっちゃいけないよ」というのが作者のメッセージかも知れませんが、とことん落とした後でマイナス思考の人が読んでそう思えるかどうかは疑問です。この「僕」の負を跳ね返せる人しか読まない方がいいと思います。清清しい絵に描いたような青春なんてほぼないとも思うけど、若者はこんなにも弱すぎはしないと思う。自分でさえこんなじゃなかったし。こんな虚無感の塊じゃなくて、少しは誰でももがくと思うけどどうでしょう?

う~ん、この方の著作初読でしたのでなんかすごく悪い印象(苦笑)でも、一作だけではなんともいえないので他も読んでみたいと思いますが、相当興味が湧く作品でないと食指が動かされないような気も・・・


2.9 なむなむ!

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
人気ブログランキングへ
関連記事
スポンサーサイト
.15 2010 【本:言語芸術】 comment2 trackback2

comment

igaiga
こんにちは。
あたしも「ボトルネック」が初めてだったのですね。
そこからここまで這い上がってくるのはなかなか大変でしたが(笑)
面白い作品もありましたし、なかなか懐の大きな作家さんかな?と最近では思ってます(^^)
「追想五断章」はまだ未読です。
読みたいな~(´∀`)
2010.11.16 08:54
チルネコ
>igaigaさん

igaigaさんもボトルネックが初でしたか^^ボトルネックは
イマイチ好みではなかったんですが、最近のはなかなか
面白く読まされるので期待値も上がってます(笑)
懐が大きいといわれると、そうかも知れませんね^^
五断章~は今のところ僕の米澤白眉なので、機会があれば
読んで感想きかせてくださいね~^^
2010.11.16 22:58

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://kurogokegumo.blog135.fc2.com/tb.php/61-7eec02ab
    ボトルネック 米澤穂信 亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思い...
 「瓶の首は細くなっていて、水の流れを妨げる。   そこから、システム全体の効率を上げる場合の妨げとなるある部分のことを、ボトルネックと呼ぶ。」(p284)  自分の ...

プロフィール

チルネコ

Author:チルネコ
読書をライフワークとしております。読むジャンルは本のジャンルは基本的に小説です。特に文学、ミステリ、SFを好み。何かお薦め本があればご指南ください。リンク・コメント・TBも大歓迎ですのでどうぞよしなに^^

カレンダー

<< 04
2017
>>
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

訪問者数

ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へ

書評サイトさん

読書&鑑賞メーター&音楽メーター

チルネコさんの読書メーター チルネコさんの読書メーター チルネコの最近読んだ本 チルネコさんの鑑賞メーター チルネコの最近観たビデオ
http://ongakumeter.com/u/1347

MY リンク

ブログ内検索+用語検索

ブロとも申請フォーム

ブロとも一覧

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。