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桜庭一樹 『赤朽葉家の伝説』

赤朽葉家の伝説


"辺境の人"に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の"千里眼奥様"と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。高度経済成長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる三代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の姿を、比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。   (BY BOOKデータベース)
   

まだ桜庭さんのは四冊目だけれども、これが一番おもしろかったかも。日本推理作家協会賞をとっているとはいえ、推理という部分はそんなに濃くなく瞳子にスポットライトが当てられる三章くらいでした。だけどもわしはこれをミステリーとしては読まずに、というか読めず、赤朽葉家女帝三代記として読みました。ミステリーというより赤朽葉家サーガにちょっとした謎がくっついているといったほうがいいかも知れません。そして桜庭さんの力量を思い知るに至った作品でした。

本書は三章構成となっておりそれぞれの時代の赤朽葉家の女性たちを描いています。一章が千里眼の万葉、二章が伝説のレディースから大漫画家へと変貌を遂げた毛鞠、三章が普通のかんばせに何事も平凡な瞳子。語り手は現代を生きる、万葉の孫であり毛鞠の子供である瞳子の視点。一番おもしろかったのは万葉の物語でしたね~。未来を見ることが出来る千里眼というこの幻を見ているかのような雰囲気に引きこまれました。毛鞠の物語も壮絶でギラギラした少女~一心不乱に自分の青春を描き続け、絵の中でもう一度青春を過ごす抜け出せない永遠の少女がとても桜庭テイストだったと思う。瞳子のは現代ということで一章とは大分雰囲気が変わってしまったのですが、まぁこれは時代背景いえにしょうがないのかもしれません。桜庭さんは一章の時代の方ではないでしょうし、この時代を生きたおじさん世代たちはこの描写に賛否両論があるみたいですが、うちらの世代からするとここまで描けるのはやはりただものではないような気がします。60・70年代を知ら者へのあの時代再考みたいな(笑)それにあの時代の第一線に生きていないのにあのレトロ感を出せるというのもとってもすごいと思う。そういえば今まで読んだ桜庭作品すべて自分の中のその時代のイメージと桜庭さんが描く時代とがちゃんと合致していましたしねー。

全体的に見てみると一、二章は第三章の謎解きの部分のための伏線と見れなくもないけれども、そういい切ってしまうには一、二章は壮大すぎてもったいない。これは三章のための一、二章では決してなく、一、二章があっての三章であり、ミステリとして読むだけではこの本の価値は見出せないと思います。一、二章に比べて三章だけがちょっと薄っぺらくなっていたのが残念といえば残念かなぁ。

「ぱらりらぱらりら~」とか「泪」「鞄」「孤独」などというネーミングセンスなども桜庭さんの感覚が出ててツボだった。逆に「レッドデッドリーフ」はなんか違うなって、ムリに横文字にして現代っぽくしなくても「赤朽葉」でよかったんじゃないかなって思っちゃいましたが(苦笑)でも、はやりこの作品も少女、血の繋がりなどは桜庭さんいとってとても重要な要素を持っていうのだな~って確信しました。

桜庭さんはやはりツボだ。言葉のセンスも物語の雰囲気も作品によるちょっとした文体の使い分けもキャラも好みなモノばかりです。苦悩の時代から今にいたった天才というよりかはむしろ努力と土台作りを得て花咲いた経緯も、多くの人の読まれるためならいろんなメディアにできるだけ出没したいと思う心意気も好みだ。現代の作家さんの中でも五指の指に入るくらい好きな作家さんですwわしは声を大にして言うゾ~!!桜庭さんのファンだーーー!!!(笑)


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.01 2010 【本:言語芸術】 comment2 trackback0

comment

こんばんは☆

>赤朽葉家女帝三代記として読みました。
ホント、まさにソレです。
ミステリー感は殆ど無いし、駆け足で昭和~平成の時代を読ませてくれたな~と感心した憶えが。
…にしても、桜庭一樹スペシャルともいうべき、チルネコさんのレビュー、スゴイです!!
2010.12.01 22:10
チルネコ

>惺さん

これは読んだ当時もスゴイ作品だなl~と思ったんですが、
時間が経つごとにますますこのマジックリアリズムの凄さが
身にしみてくるようになりました!ホント日本版百年の孤独と
言っても差し支えないほどの作品かと^^
少し残念なのは三部だけが浮いちゃってたところでしょうか^^。

ありがとうございます!桜庭さん、まだ既読の作品あるんですw
しかもムック本まで^^w
2010.12.01 23:41

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